厳封[語句情報] » 厳封

「厳封〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

厳封の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
うと、出がけにでもちゃんともう用意してきたものか、ふところから取り出したものは、厳封をした十四、五本ばかりの書面でありました。 「あら! 少しこれじゃ役割がひど....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の内容が疑いもなく、異常に熾烈な秘密だったに相違ありません。そして、残った一葉を厳封して、それを金庫の中に蔵め、死後一年目に開くよう儂に申し渡されました。ですか....
少年探偵長」より 著者:海野十三
・黄金メダルの片われと、小文字でうずめられた絹ハンカチの焼けのこりを、いつまでも厳封して机のひきだしの奥に収っておくことはできなかった。それは三日目の夜に入って....
地獄の使者」より 著者:海野十三
あなたは、ケリヤムグインを書簡箋に吸収させました。そしてその書簡箋は、缶詰の中に厳封して、旗田鶴彌氏へ送ったのです。もちろんその書簡箋には、或る文句が書いてあり....
夜の靴」より 著者:横光利一
落ちつかなくなり、入札式を採用して、各自の献納額を紙に書かせ、他人には分らぬよう厳封のまま納めることにした。村にとっては非常な大事件だ。先祖の位置が金銭で決定さ....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
と、素的な別嬪が手招きしたものさ。でおれは従いて行った。すると大奥と天主台の間に厳封をした井戸があろう。非常な場合に開くようにと、東照神君から遺言された井戸だ。....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
い込んだ。氷の塊を袋に詰め充分に食料を用意した。探検用の専門の器具は木箱に入れて厳封した。ノガイ族キルギス族|土耳古族、それらの幾人かをまた雇った。同勢すべて三....
南国太平記」より 著者:直木三十五
下邸の新築、日光宿坊、上野宿坊を初め、京の錦小路の邸の修復、三都には、斉興御来邸厳封の金蔵に、百万両ずつの軍用金の積立さえできた。 調所は、こう考えてきた時、....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
はどうしても単に光線の反射とのみは思えなかった。 富士男の日記はこのページから厳封されて読むことができないから、著者からさらにその夜のできごとを報道することに....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
何であろうか、わき目もふらず、奉書七、八枚に達筆を走らせ、草し終ると、二重に厳封して、封の表に太く強く、「上」と書いて机にのせ、しばらく腕をくんでいた。 ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
にいたします。いずれ、安否はまた途中から使いを立てまする」 周馬の筆跡を状筥に厳封して、早飛脚を大阪の桃谷に立たせ、かれ自身はひとりで、いつもの深編笠、山科の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、高氏の結婚ばなしが、国元の足利へも伝えられたか否かのとたんに、右馬介宛てに来た厳封の一書は、一そう彼の悩みを深刻にした。 彼宛てに、国の密使がもたらした書簡....
空飛ぶ悪魔」より 著者:酒井嘉七
、相互間の無線電話による連絡も妨げない」 「参加機の離陸にあたって、本社係員より厳封せる封筒が飛行士に手渡される。機は直ちに出発を命令される。封筒には一篇の詩、....