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厳格
「厳格〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厳格の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
きんボタン》の制服を着たもう一人の画学生にこう言ったりした。
「何だかな、まさか
厳格と云う洒落《しゃれ》でもあるまい。」
彼等は二人とも笑いながら、気軽にこの....
「少年」より 著者:芥川竜之介
段である。彼女は何を尋ねても、素直《すなお》に教えたと云うことはない。必ず一度は
厳格《げんかく》に「考えて御覧なさい」を繰り返すのである。
厳格に――けれどもつう....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の哀れに感じたものの、微笑しない訣には行かなかった。彼女は定めし芸者になっても、
厳格な母親の躾《しつ》け通り、枕だけははずすまいと思っているであろう。……
....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
飛びに階段を三段ずつ蝗《いなご》のように登って来た。それが彼の顔を見ると、突然|
厳格《げんかく》に挙手の礼をした。するが早いか一躍《ひとおど》りに保吉の頭を躍《....
「或る女」より 著者:有島武郎
ふうび》したのも彼女である。その紅《あか》い口びるを吸わして首席を占めたんだと、
厳格で通《とお》っている米国人の老校長に、思いもよらぬ浮き名を負わせたのも彼女で....
「或る女」より 著者:有島武郎
んとすわって、声をそろえて「ただいま」といいながら辞儀をした。愛子の年ごろの時、
厳格な宗教学校で無理じいに男の子のような無趣味な服装をさせられた、それに復讐《ふ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
だってもう教場じゃないじゃないか。」 「それでは、」と真に余儀なさそうに、さて、
厳格に、 「酒井さん、過般も参観に見えられた、これは文学士河野英吉君。」 同じ....
「親子」より 著者:有島武郎
を出迎えた。土下座せんばかりの母親の挨拶などに対しても、父は監督に対すると同時に
厳格な態度を見せて、やおら靴を脱ぎ捨てると、自分の設計で建て上げた座敷にとおって....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
に、僕の生活費の一部を供する英語教師の職をやめられかかっていたのだ。 父からは
厳格ないましめを書いてよこした。すぐさま帰って来いと言うので、僕の最後の手紙はそ....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
の慧い眼は、叔父のまき子に対する本能的なほとんど盲目的に近い愛と、登志子に対して
厳格な監督者である威厳を示そうとするその二つのものが、登志子の目には始終極端にそ....
「三人の師」より 著者:上村松園
を確立しだしたのはこのときからであった。 楳嶺先生は門下の人たちに対しては実に
厳格であった。 姿勢ひとつくずすことも許されなかった。 「正姿のない処に正しい....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
苦痛をよろこぶようなものであると想像されては困る。それどころか、彼の罰し方はただ
厳格一方というのではなく、ちゃんと差別をつけていたのである。彼は、弱いものの背か....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
から異端と見られたようなこともあったろうと思われます。 何しろ楳嶺先生は大変に
厳格な気象のお方でしたのに、栖鳳先生は豪放なお方ですし……ずっと後のことですが栖....
「活人形」より 著者:泉鏡花
その室を立出で、泰助の潜みたる、四番室の前を通り行くを、戸の隙間より覗き見るに、
厳格き紳士にて、年の頃は四十八九、五十にもならんずらん。色浅黒く、武者髯濃く、い....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
制限の潜水艇戦を強行したから殲滅戦略だと言うらしいが、我らの考えならば潜水艦戦は
厳格な意味に於て殲滅戦略とは言い難い。 露国の崩壊によって一九一八年西方に大攻....