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「去ぬ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

去ぬの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
南地心中」より 著者:泉鏡花
帯せいでも大事ない、もう貴下、多一さんを虐めんとおくれやす。 ちゃと隙もろうて去ぬよって、多一さん、さあ、唄いいな、続いて、」 と、襟の扇子を衝と抜いて、す....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
家の檀那寺――仙晶寺というのである。が、燈籠寺といった方がこの大城下によく通る。去ぬる……いやいや、いつの年も、盂蘭盆に墓地へ燈籠を供えて、心ばかり小さな燈を灯....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
「を」は調子のうえで添えたもの、文法では感歎詞の中に入れてある。「相見ては千歳や去ぬる否をかも我や然念ふ君待ちがてに」(巻十一・二五三九)の「否をかも」と同じで....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
並に町役人、組合名主ども」 と、一々呼立てゝ後、 奉「浪島文治郎、其の方儀|去ぬる十二月二十一日、江戸橋に於て罪人友之助引廻しの際、一行を差止め、我こそ罪人....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
言はあたって文永五年正月蒙古の使者が国書をもたらして幕府をおどかした。 「日蓮が去ぬる文応元年勘へたりし立正安国論、すこしも違はず符合しぬ。此の書は白楽天が楽府....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「いえ、そうではござりませぬが、こよいのお客様は、わけても、片意地で、太夫様が去ぬと仰っしゃれば、よけいに離してくれないのでござります」 「すべて、買手どもの....
三国志」より 著者:吉川英治
めて叱りつけた。 この乱暴者は、呉郡余杭の人で、凌統字を公績という青年だった。去ぬる建安八年の戦いに、父の凌操は、黄祖を攻めに行って、大功をたてたが、その頃ま....
私本太平記」より 著者:吉川英治
との、お極めつけには、高氏、不服にござりまする」 「なに、不服とな」 「されば、去ぬる元亨の年、それがし、都へ出でたるには、相違ござりませねど、そは、前年の十一....
黒田如水」より 著者:吉川英治
て小石を落された池水のように微笑をたたえ、 「はやお見忘れ遊ばしましたか。これは去ぬる年、安土のお城において、わが君から私へ、確と養いおけと、お預けを命ぜられま....