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参
「参〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
参の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
った私は、午後と夜とをこの座敷で、はなはだ泰平に暮す事が出来た。が、同時にまた、
参考書と着換えとを入れた鞄のほかに何一つない私自身を、春寒く思う事も度々あった。....
「影」より 著者:芥川竜之介
白い書記の今西《いまにし》が、無気味《ぶきみ》なほど静にはいって来た。
「手紙が
参りました。」
黙って頷《うなず》いた陳の顔には、その上今西に一言《いちごん》....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
たのです。が、それは追々《おいおい》話が進むに従って、自然と御会得《ごえとく》が
参るでしょう。
「何しろ三浦は何によらず、こう云う態度で押し通していましたから、....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
に遇《あ》っても、十字架の御威光を輝かせるためには、一歩も怯《ひる》まずに進んで
参りました。これは勿論私一人の、能《よ》くする所ではございません。皆天地の御主《....
「河童」より 著者:芥川竜之介
げていました。
大寺院の内部もまた広大です。そのコリント風の円柱の立った中には
参詣《さんけい》人が何人も歩いていました。しかしそれらは僕らのように非常に小さく....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
籠の勘定を誤ったとあっては、末代《まつだい》までの恥辱になるわ。その方は一足先へ
参れ。身どもは宿まで取って返そう。」――彼はこう云い放って、一人旅籠へ引き返した....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
五味溜《ごみた》めの所に、啼《な》いていた犬でございますよ。――どうしてはいって
参りましたかしら。」
「お前はちっとも知らなかったの?」
「はい、その癖ここにさ....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
一
加州《かしゅう》石川|郡《ごおり》金沢城の城主、前田|斉広《なりひろ》は、
参覲中《さんきんちゅう》、江戸城の本丸《ほんまる》へ登城《とじょう》する毎に、必....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
け》がありません。わたしはやはり地獄《じごく》の底へ、御両親の跡《あと》を追って
参りましょう。どうかお父様やお母様は、ぜすす様やまりや様の御側《おそば》へお出で....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
んえもん》殿ですから、それで余計話がはずむのでしょう。片岡なども、今し方あちらへ
参って、そのまま坐りこんでしまいました。」
「道理こそ、遅いと思いましたよ。」
....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
で》に雨《あま》じみの残っている縞絽《しまろ》の羽織にも明らかだった。
「行って
参りました。どうも案外待たされましてな。」
神山は浅川の叔母に一礼してから、懐....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
油火《あぶらび》が一つ、龕《がん》の中に佇《たたず》んだ聖者の像を照らしている。
参詣人はもう一人もいない。
そう云う薄暗い堂内に紅毛人《こうもうじん》の神父《....
「運」より 著者:芥川竜之介
えものつくり》へ声をかけた。
「不相変《あいかわらず》、観音様《かんのんさま》へ
参詣する人が多いようだね。」
「左様でございます。」
陶器師《すえものつくり》....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
社の祭りなり、賑い言わん方なしといえば、携え来りし着替を出し、独り夕方より観音へ
参詣し、夜に入り蕎麦店へ入りて京味を試み、ゆらりゆらりと立帰りしところ、裏のうち....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
る代官様の顔を見て、「あの子は訳あってあの太郎右衛門が拾い上げて、これまで育てて
参りましたもので……」と言いかけた時、代官様は、 「それは、私も知っているのだ。....