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参った
「参った〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
参ったの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
せん。わたしはあなたの知っている通り、評判の高い盗人《ぬすびと》です。しかし今夜
参ったのは、盗みにはいったのではありません。どうかそれだけは安心して下さい。
....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
の中《うち》に少納言殿の御内でないものもいるのであろう。これは一段と面白うなって
参った。さらばその御内でないものどもに、ちと申し聞かす事がある。その方どもが予を....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
ある。
半月《はんつき》ばかりたった後《のち》、祇園精舎《ぎおんしょうじゃ》に
参った給孤独長者《きゅうこどくちょうじゃ》は竹や芭蕉《ばしょう》の中の路《みち》....
「竜」より 著者:芥川竜之介
いる叔母の尼が、是非その竜の昇天を見物したいと申すので、遠い路をはるばると上って
参ったではございませんか。これには恵印も当惑して、嚇《おど》すやら、賺《すか》す....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
の下を通りかかりました。ちょうどまた伴《とも》もつれず、雨着《あまぎ》もつけずに
参ったのでございまする。すると風音《かざおと》の高まるが早いか、左から雪がしまい....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
、山懐《やまぶところ》に突当《つきあた》って岩角を曲って、木の根を繞《めぐ》って
参ったがここのことで余りの道じゃったから、参謀《さんぼう》本部の絵図面を開いて見....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
きしつつ、流眄をするのであった。 「別に、一大事に関して早瀬は父様の許へ、頃日に
参った事はないですかね。或は何か貴娘、聞いた事はありませんか。」 小さな声だっ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
何、それで大怪我じゃと――何としたの。」 「それでしゅ、それでしゅから、お願いに
参ったでしゅ。」 「この老ぼれには何も叶わぬ。いずれ、姫神への願いじゃろ。お取次....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
歯も立たぬ。や、堅いの候の。先祖以来、田螺を突つくに練えた口も、さて、がっくりと
参ったわ。お庇で舌の根が弛んだ。癪だがよ、振放して素飛ばいたまでの事だ。な、それ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
別で、」 と姥は糸を操るような話しぶり。心のどかに口をまわして、自分もまたお茶
参った。 しばらく往来もなかったのである。 八 「……おう、宰八....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
気になるなら、良人、ちゃと行って取って来い。」 と下唇の刎調子。亭主ぎゃふんと
参った体で、 「二進が一進、二進が一進、二一天作の五、五一三六七八九。」と、饂飩....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、希有じゃと申出しますと、いや案内に立った唯今の女は、見す見す廊下をさきへ立って
参ったというて、蒼くなって震えまするわ。 太う恐がりましてこちらへよう伺えぬと....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
なと思ったが、情を察すると無理はないので、泣の涙で合点しました。今日あたりはもう
参ったかも知れませぬ、することが天道様の思召に叶ったら無事で帰って参りましょう。....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ざかることでございます。私どもはこれでもいろいろと工夫の結果、やっとそれができて
参ったのでございます。で、私どもに向って身上噺をせいと仰ッしゃるのは、言わば辛う....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
開いたままになっていましたから、廚裡へもまわらないで、すぐに廊下を一つ、女神堂へ
参ったのですが、扉はしまっていました。―― この開扉を頼むのと、もう一つ、急に....