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参らせ候
「参らせ候〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
参らせ候の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
た。
「女の弱き心につけ入りたもうはあまりに酷《むご》きお心とただ恨めしく存じ
参らせ候《そろ》妾《わらわ》の運命はこの船に結ばれたる奇《く》しきえにしや候《そ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
と思い込んでいた女の一人であると半蔵に話した。何も、型のように、「一筆しめしあげ
参らせ候」から書きはじめなくとも、談話をするように書けば、それで手紙になると知っ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
た。
其はお馨さんが亡くなる二週間余り前のはがきであった。
新年をことほぎ
参らせ候。
御正月になりましたら、精い御手紙を認めたいと思うて思うて居りましたが....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
りお仕出しのおなつかしき玉章とる手おそしとくりかえしくりかえしくりかえし拝し上げ
参らせ候 さ候えばはげしき暑さの御さわりもあらせられず何より何より御嬉しゅう存じ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
気懸りになって、密とその封じ目を切って見たれば、==妹御へ、一、この馬士の腸一組
参らせ候==としたためられた――何も知らずに渡そうものなら、腹を割かるる処であっ....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、廓をちらつく影法師を見て思出したか。 ――勘定をかく、掛すずりに袖でかくして
参らせ候、―― 二年ぶり、打絶えた女の音信を受取った。けれども俊吉は稼業は何で....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
、眼を定めて読みおろしぬ。 文字は蓋し左のごときものにてありし。 お通に申残し
参らせ候、御身と近藤重隆殿とは許婚に有之候 然るに御身は殊の外|彼の人を忌嫌い候....
「まぼろし」より 著者:国木田独歩
を切った。小さな半きれに認めてある文字は次のごとくである。 『御ゆるしのほど願い
参らせ候今は二人が間のこと何事も水の泡と相成り候妾は東京に参るべく候悲しさに胸は....
「遺言」より 著者:国木田独歩
変に思うだろうから読む、自分で読むと、かれは激昂して突っ立った。 「一筆示し上げ
参らせ候大同口よりのお手紙ただいま到着仕り候|母様大へん御よろこび涙を流してくり....
「出家物語」より 著者:坂口安吾
は粋筋のドドイツなどを自作し、節面白く唄いはやし候も一興にて、そこもと様にも進め
参らせ候 と書いてある。 珍妙な未亡人があるものだ。 すると、ある日、叔母....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
くして、地獄に入り給はば、日蓮を如何に仏に成さんと釈迦|誘らへさせ給ふとも、用ひ
参らせ候べからず。同じ地獄なるべし」 これなどは断腸の文字といわねばならぬ。 ....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
はやしたてゝ渡しけり。五右衛門こゝは、所間遠にて、おもしろからず、よき所にて見せ
参らせ候はんとて、四条の町の華麗なる家にともなひけり。さて何処よりとりて来たりけ....