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参候
「参候〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
参候の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
宇左衛門は、不吉《ふきつ》な予感に襲われながら、慌《あわただ》しく佐渡守の屋敷へ
参候した。
すると、果して、修理が佐渡守に無礼の振舞があったと云う話である。―....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
彼等にもその兵を動かす以上は、名分が必要であったらしい。周到な勝元は早くも幕府に
参候し、義政に請うて宗全追討の綸旨を得て居る。時に西軍が内裏を襲い、天子を奉戴し....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
岩崎|長世、および高山、河口らの旧友と会見し、それから京都に出て、直ちに白河家に
参候し神祇伯資訓卿に謁し祗役の上申をしてその聴許を得、同家の地方用人を命ぜられた....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
受けた感激が、まだくわッくわッと沸き立っていた。開拓使長官の使いを受けてその邸に
参候するとこの礼装が用意されてあった。特に太政大臣のお召しであると長官は云い、堀....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
、流石《さすが》の伊達政宗をして首《こうべ》を俛《ふ》して兎も角も豊臣秀吉の陣に
参候するに至るだけの料簡《りょうけん》を定めしめた。微物凡物も亦|是《かく》の如....
「源氏物語」より 著者:紫式部
く寛容な御性質をお慕い申し上げて、屈託なことのある時の慰安を賜わる所のようにして
参候する慣いになっていて、その人たちは院の御悩の重いのを皆心から惜しみ悲しんでい....
「源氏物語」より 著者:紫式部
続いて遠国に暮らすことになりましてからは、京にいますうちは何をいたすもおっくうで
参候も実行できませんでしたような私へ、ありがたいお申し込みをしてくださいましたこ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
左大臣|橘諸兄が大納言|藤原豊成及び諸王諸臣を率て、太上天皇(元正天皇)の御所に
参候して雪を掃うた。時に詔あって酒を賜い肆宴をなした。また、「汝諸王卿等|聊か此....
「興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
兵衛諸国を遍歴せしに廻り合わざる趣にて罷り帰り候。三斎公その時死罪を顧みずして帰
参候は殊勝なりと仰せられ候て、助命遊ばされ候。伝兵衛はこの恩義を思|候て、切腹い....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
斉彬が笑いながら
「例の講釈じゃ」
「少し、お耳に入れたい儀がござりまして、
参候仕りました」
「よい話か、珍しい話か」
「よい話と心得まするが――ほんの暫時....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
の人々を不快がらせずに、出来る丈の事をなすといふに止め度者と存じ候。然乍御手紙|
参候ごとに一寸御返事に困るやうなるは、即ち真直に遠慮なく所信を述べて申越され候為....
「あゝ二十年」より 著者:上村松園
たことでございました。私は三室戸伯のお導きを得まして、作を携えまして、先般御所に
参候いたし、滞りなくこれをお納め申し上げましてございます。 最初、この作品は表....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
○ 明治四十年四月一日(京都下加茂二十四狩野方より)(封書) 拝啓 京都へ
参候。所々をぶらつき候。枳殻邸とか申すものを見度候。句仏へ御紹介を願われまじくや....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
けを、ここに掲出しておく。 〔宮本武蔵書状〕 尚々、此与右衛門儀、御国へも可
参候間、被成御心付候て被下候はゞ、可忝候、以上 其後者、以書状不申上、背本意奉存....