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参籠
「参籠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
参籠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
孔雀明王《くじゃくみょおう》の画像を前に、常燈明《じょうとうみょう》の光をたのむ
参籠《さんろう》の人々か、さもなくば、四条五条の橋の下で、短夜を芥火《あくたび》....
「運」より 著者:芥川竜之介
、これで善い運が授《さず》かるとなれば、私だって、信心をするよ。日参をしたって、
参籠《さんろう》をしたって、そうとすれば、安いものだからね。つまり、神仏を相手に....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
いううれしい唄もある位じゃ。どうじゃな、そなたとて二人して、ふた夜三夜しっぽりと
参籠致しますかな」 「いいえ、そんなこと、――わたしあの、知りませぬ」 くねり....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
もよく頼んで置いて行く。」 と半蔵は妻に言って、父の病を祷るために御嶽神社への
参籠を思い立った。王滝村とは御嶽山のすそにあたるところだ。木曾の総社の所在地だ。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
してそんなことはありません。そりゃだれがなんと言ったって、お父さんのためにお山へ
参籠までして、御全快を祷りに行くようなことは、半蔵さまでなけりゃできないことです....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
そんな、お父さんのような心細いことを言うからいけない。」 「いや、半蔵には御嶽の
参籠までしてもらったがね、おれの寿命が今年の七十歳で尽きるということは、ある人相....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
いて行くと言って困った。あの時もおれは清助さんに止められて、あんな若い人を一緒に
参籠に連れて行かれますかッて言われた。それでも勝重さんは行きたいと言うもんだから....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
、祖師日蓮の忌日を卜して執行の法会をお会式とはいい、宗徒は又おめいこうとて本山に
参籠する。池上の本門寺、堀内のお祖師様など、江戸以来の霊場で、遠くは中山の法華経....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
列所、郵便局、それから中央の奥宮社殿は、本殿、幣殿、拝殿の三棟に別れて、社務所、
参籠所も附属している。案内記に「四壁|屋蓋畳むに石をもってし」とある通りで、奥宮....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ええ、望み――と申しますと、まだ我があります。実は願事があって、ここにこうして、
参籠、通夜をしておりますようなものです。」 二十九 「それが貴僧、....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
よるのじゃ。若い者も、ミコも、みんな抜かれよる。よう抜かれるので、気味がわるい。
参籠の信徒も抜かれる。神様の魂もぬいてくれるぞと喚きおってダダをこねよるから、こ....
「多神教」より 著者:泉鏡花
に、馬の通るを知らぬ婦があるものか、野放図な奴めが。――いやいや、御堂、御社に、
参籠、通夜のものの、うたたねするは、神の御つげのある折じゃと申す。神慮のほども畏....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
だに武備を厳にするのみならず、しきりに神仏の加護を求めた。すでに述べた文覚江の島
参籠と、時政願成就院の建立のほかに、六月二十八日には鶴岡放生会を引き上げて泰衡征....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
するとき、女の子がとりすがったのを縁側から蹴おとして家を出たとか、後年、長谷寺へ
参籠すると、行いすます尼と出会う、これが昔のわが妻であったとかいう類で、これは幸....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
方に当る村落を仙北の北浦と称し、此地方に於ける妙齢の女子、恒例祭に社参し、一夜の
参籠を為すに非ざれば、嫁がざるもの多しと。之を御通夜と称し、今猶行はるといふ」と....