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参道
「参道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
参道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
駆け出さんばかりにしてそこを遠ざかった。 また、八十八カ所の霊場である石手寺の
参道には両側ともびっしりと乞食が坐っていたが、その大半は癩者であった。彼らが参詣....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
いた。 梅の咲く禰宜の家から社殿までの間は坂になった細道で、王滝口よりする御嶽
参道に続いている。その細道を踏んで行くだけでも、ひとりでに参詣者の心の澄むような....
「討論に即しての感想」より 著者:宮本百合子
彼等のいわゆる素朴なる大衆の低度に解消してしまう方法でした。正月元日に明治神宮の
参道をみたす大衆の中に、インテリゲンチャは何人まざっていたかと当時の知識人を叱責....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
とがありませんでした。 しかし、また、いくばくもなくして、同じような身を登山表
参道へ現わしたところを見ても、この人の四肢五体が全く無事であったことがわかり、同....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ひらやかた》を出でて、通例だれもがする小高野から鞠場《まりば》へかけての胆吹の表
参道であります。
それを、一瓢を携えた道庵先生が、ふらりふらりと上り出すそのい....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
町網走刑務所の顕治宛 福島県郡山市開成山より(開成山大神宮(※)、開成山大神宮北
参道(※)の写真絵はがき)〕 (※) 七月七日、きょうは又開成山から書いて居りま....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
であるというのである。鶴見にはそれが何よりの珍味であった。 老主人は草薙社への
参道である一筋の夜みちを幼児の手を引くようにして、鶴見をみちびいて、親切にも案内....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
彼は、なぜということもなしに、自分も鈴を鳴らしてみたい気になり、石燈籠の近くから
参道の石畳をふんで、拝殿のまえに進んだ。 拝殿は、もう真暗だった。奥の本殿から....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
、やわらかい楓に半ば葉がくれたとある円亭で休んでいた。と長屋(街の名)の方からの
参道を支那服を着た召使をつれて、登って来たのは鶴子であった。私はハッとした。鶴子....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
が続々と入用なのだそうだ。 仙台藩の城下から追放した遊女屋はこの神様の真下、表
参道の鳥居両側にズラリとあるのだが、高尾を斬った仙台の殿様の虚無的な皮肉なのだか....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
知る実在のヘルプ紳士第一号である。今年の春、塩ガマへ旅行したとき、塩ガマ神社の裏
参道の登り口に神様と共存共栄しているサフラン湯本舗のオヤジが、これもヘルプ型であ....
「春雪」より 著者:久生十蘭
、新婦のほうは、思いきり小柄《こがら》なのに、曳裾《トレーヌ》を長々と曳き、神宮
参道をヨチヨチ歩いている七五三の子供の花嫁姿のようで、ふざけているのだとしか思え....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
にただよい、メッカをめざして何百里の困難な旅をしてきた巡礼が、半リーグもある長い
参道を、一歩ごと額を大地にうちつけながら、大仏殿のほうへ這って行く敬虔なすがたが....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
じまりかけている。鎌倉八幡宮の若宮の鳥居から社頭までの、浅間《あさま》な杉並木の
参道を、日焼けした地方の顔や、観光船で横浜に着いたばかりという白っぽい顔が、カメ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
日は開放しになっていて、印半纏の男たちが幾人か立廻っていますし、人込を透かして、
参道の左右に並べた造花や放鳥らしいものがちらちら見えます。通りへ出ると、表門の前....