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又しても
「又しても〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
又してもの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
を玉藻の祈祷と定め、いずれに奇特があるかを試《ため》さするというのであった。 「
又しても彼らが楯を突くか」と、忠通は焦《じ》れて怒った。 しかし玉藻は別に騒ぎ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
五千五百……五千四百……」 やがて再び艦が城塞までの距離を五キロに縮めたとき、
又しても正面から外力によって突き戻された。 が、やっぱり同じ順序によって、艦は....
「殺人の涯」より 著者:海野十三
やって肩を並べて歩いているじゃないか」 そうは云ったものの、あの深か情の女房が
又しても傍にへばりついているのかと思うと、私は五体の力が一時に抜けてしまうように....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
奴を並べなければならなかったんです。 ところが、学生さん。 故意か、偶然か、
又しても数日後の或る朝、同じD50・444号の車輪に、今度はさだめし柔かそうな白....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
ことでしたかね……もうそろそろ夏がやって来ようって頃でした。「つぼ半」の女将が、
又しても裁判所へやって来たんです……いや、今度は私が、この目でみつけたんですよ…....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
またも天井裏《てんじょううら》の高声器から降ってきた。 しぶい顔をして隆夫は、
又してもはねまわるぬ雑音に聞き入った。 「だめだッ」 スイッチを切る。 「いっ....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
けに「待て、賊!」と声をかけて、こちらへ駆けて来る者があった。月明かりに見れば、
又しても例の変ったユニフォームを着た刑事だった。 銃声一発! 刑事は蝙蝠のよう....
「火星兵団」より 著者:海野十三
(どうしたら、床下が見えるだろうか?)
先生は、考えた。
ごとん。ごとん。
又しても、怪音は床下から聞えて来る。
(そうだ。庭へ出て、外から床下をのぞいてみ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
共通の美点で、矢張り御姉妹の血筋は争われないように見受けられます……。 あれ、
又しても話が側路へそれて先走って了いました。これから後へ戻って、私が初めて玉依姫....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
思議や」 梨地金蒔絵、鋲打の女乗物。駕籠の引戸開けて風を通しながらの高田殿は、
又してもここで呟かれた。 それは、大田切を過ぎる頃からであった。いつぞや寝所間....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
様で。あれで御座います、近くなる程綺麗に見えます」 「遠くでも光って見えるね」と
又しても宗匠が口を出した。 「あの艪を漕ぐ腰ッ振が好う御座いますね」と市助までが....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
吊られては暑苦しゅうてどうもならぬ。まァまァそれよりも話して行ったが好い。今宵は
又しても風が少しも無い。眠うなるまではここにいて、相手してくれやらぬか」 「はい....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
に襖を開く音がしたので、純之進びっくりして、今までの追想を打切りにした。そうして
又しても村の娘が小笠原流で来たのではあるまいかと、不快に思わずにはいられなかった....
「絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
先生のお帰りと知った程でした。ところがもう先刻先生はお帰りになった筈だと思うのに
又してもカランコロンと跫音がして、それが又先生の跫音に何とも言えずよく似てるので....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
く心が乱れて居らるるようにも見受けらるる。それもみんな病いのなす業じゃ。就いては
又しても陣触れなど仰せ出さりょうも知れぬが、師冬が沙汰するまでは一人たりとも妄り....