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又聞き
「又聞き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
又聞きの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
そろって船橋のお宅へお邪魔した際の拙作に関するあなたの御意見、あとでその三人から
又聞きしたのを、そのまま私へ知らせてよこしました。亦《また》、『新ロマン派』十二....
「新生」より 著者:島崎藤村
これは元園町の友人の意見として、過ぐる晩一緒に酒を酌《く》みかわした客から岸本の
又聞きにした言葉であった。岸本はこの友人に対してすら、何故そう「真面目」に取らず....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
りません」高輪田「そうして此の探偵が終る迄は私は此の土地に留まります」根西夫人は
又聞き咎め「此の土地に留まるとて私共は近々鳥巣庵を引き払いますよ、彼の家を借りた....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と、亀吉は三十五六の男を連れて来た。 「親分。この男を連れて来ましたよ。わっしの
又聞きで何か間違うといけねえから、その本人を引っ張って来ました」 「そうか。やあ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「知りません」 「尤もこれはわたくしが自分で手がけた事件じゃあありません。人から
又聞きなんですから、いくらか間違いがあるかも知れませんが、まあ大体はこういう筋な....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
確にお聞きになったり、また現に逢ったり見たりなすっておいでになります。 私は、
又聞きに聞いたのだの、本で読んだのぐらいな処で、それも拵えものらしいのが多いんで....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
点、不思議に思われたことでしょうね。いや、こいつは私も、会の会計をしている方から
又聞きしたことですから、全く詳しいことは知らないんですが、何んでも会長は、まだ貧....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
また道化役者にして笑いたがる人たちである。そんな態度が頼みがいなく思われる上に、
又聞きにしたくらいの人の秘密をおもしろ半分に振り回し、下世話にいう肘鉄を食わせた....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
に完全な実在再生の機能を要求すると云っても、之に触覚を求める心配はないだろう。見
又聞きするには対象との間に一定の距離がなければならない。見聞きには一定の媒質が必....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
がしかし漠然《ばくぜん》たる言葉にすぎなかった。時とすると、風貌や噂《うわさ》や
又聞きにすぎなかった。ところが他の兆候が現われてきた。
ひとりの大工が、ルーイ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
伏せると、二四六の丁目が出る。
思わず碌でもない事を叙述してしまったが、これは
又聞きであって、もとより作者の実験による事ではない。この辺はとくと御諒承願う事と....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
消えたのだから、もとより、こまかに話すとなると、至極漠然たるもので、夢の想い出の
又聞きのようなことになるのだった。 ぱちんと指を鳴らす――その間の出来事だった....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
吉一味もこのところ尠からず拍子抜けの体だったという。 実もって容易ならぬ常吉の
又聞き話。三吉が捕方に向う六時も前、午過ぎの九つ半に、富五郎は卒中ですでに鬼籍《....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
あるという批難の声が高かった。 そのときに私は榎本虎彦君からこんな話をきいた。
又聞きであるから真偽は保証し難いが、桜痴居士はそれに対してこう言っていたそうであ....