及び腰[語句情報] » 及び腰

「及び腰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

及び腰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
町の子供が三四人、病人の小屋の外を通りかかると、中でもいたずらな一人が、遠くから及び腰になって、その蛇《ながむし》を女の顔の上へほうり上げた。青く脂《あぶら》の....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
やつも女の前へ来ると、きっと嬉しそうに御時宜《おじぎ》をしている。それがまたこう及び腰に、白い木馬に跨《またが》ったまま、ネクタイだけ前へぶらさげてね。――」 ....
老年」より 著者:芥川竜之介
、隅へはおけませんや。」小川の旦那もこう云いながら、細目にあいている障子の内を、及び腰にそっと覗きこんだ。二人とも、空想には白粉《おしろい》のにおいがうかんでい....
少年」より 著者:芥川竜之介
械の中へ移した。七歳《しちさい》の保吉《やすきち》は息もつかずに、テエブルの前へ及び腰になった主人の手もとを眺めている。綺麗《きれい》に髪を左から分けた、妙に色....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
に下駄の音がする。火鉢の側《そば》な障子があく。おしろい真白な婦人が、二皿の粽を及び腰に手を延べて茶ぶ台の上に出した。予は細君と合点してるが、初めてであるから岡....
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
刃が光っていた。 上野は、よろめいて躓《つまず》くように、逃げ出した。内匠頭が及び腰に斬りつけたとき、梶川が、 「何をなさる!」と叫んで、組みついた。 ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
電話機のある天幕から、大サイレンの間までには、ズラリと兵員が立並んで、いずれも及び腰で、報告が電話機の上に来れば、直ちに警報が出せるように身構えた。 そして....
海底大陸」より 著者:海野十三
ちになっている。 砲手たちは、船長の号令とともに、大砲の引き金をひくつもりで、及び腰になっている。 そのとき、船長がさっと高く片手をあげた。 いよいよ、う....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
に相違ない。と、にわかに二つの姿が、あたかも呼吸を合わせたように、火柱に向かって及び腰になった。だが、その次の瞬間には、グイと背後へ反り返った。どうやら捕り縄を....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
。「ちょうど幸い大岩がある。こいつを早速楯として、構うものか、叩っ切ってやろう」及び腰をして待ち設けたが、それとも感付かぬ岩向こうの人数、ガヤガヤ喋舌《しゃべ》....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、さて、「改めて御祝儀を申述べます。目の下二尺三貫目は掛りましょう。」とて、……及び腰に覗いて魂消ている若衆に目配せで頷せて、「かような大魚、しかも出世魚と申す....
貞操問答」より 著者:菊池寛
の処女を獲るためには、自分の家庭や位置や名誉までも、犠牲にする覚悟が必要なのだ。及び腰で、手をさし延べているような、自分の態度のために、かえっていろいろな事件が....
怪しの者」より 著者:国枝史郎
袖口から、紅色がチラチラこぼれて、男の心持を、迷わせるようなところがありました。及び腰をして格子戸の方を隙かし、 「どなた、宅にご用?」 と、含みのある水っぽ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
そうなほどにも軟らかく見えた。そういう彼が、左の手に刀を持ち、それを畳の上へ突き及び腰をし、長く頸を延ばし、上からお浦を覗き込んでいる姿は、昆虫――蜘蛛が、それ....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
えな……一時間の後には俺たちはしこたまご馳走が食える身分になるんだ。生蕃、そんな及び腰をするなよ。みっともない。……これでだいたいいい……さあみんな舞台よきとこ....