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及び難い
「及び難い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
及び難いの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カズイスチカ」より 著者:森鴎外
時から遽《にわか》に父を尊敬する念を生じた。 実際花房の気の付いた通りに、翁の
及び難いところはここに存《そん》じていたのである。 花房は大学を卒業して官吏に....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、そこにもまた無数と続いているのだった。それ等は、いかなる名工といえどもとうてい
及び難い、自然力の微妙な細刻に相違ないのである。
その室は石灰石の積石で囲まれ....
「文芸時評」より 著者:宮本百合子
ない。困難は、それらが今も尚われらに芸術的享楽を与え、且つ或る点では規範として又
及び難い模範として通るのを何と解するかにある」(マルクス、経済学批判序論) だけ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろを、この子が一刀に斬って捨ててしまいました」 「ははあ、それはいよいよ凡人には
及び難い」 「そういう気象の子供でございますから、どのみち、これは草深いところに....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
夫)。マサヤカニコソ(沢瀉久孝)等の諸訓がある。けれども、今のところ皆真淵訓には
及び難い感がして居るので、自分も真淵訓に従った。真淵のアキラケクコソの訓は、古事....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
語の発音は私と較べ垢抜けしてるような気がし、彼がテニスの鋭いサーヴをする仕方も、
及び難い洗練がある気がした。そしてそれらは学校の教科書の勉強からは得られない別の....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
は確かに阿多多羅山の山の上に出ている天空があった。私は彼女の胸像を作る時この眼の
及び難い事を痛感して自分の汚なさを恥じた。今から考えてみても彼女は到底この世に無....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
表現は単にそれを理解する事だけですら、恐らく今日の世界に於ける美の感覚の程度では
及び難いのではないかと考えられる。われわれは斯かる超高度美を感受し得る美的感覚を....
「民芸とは何か」より 著者:柳宗悦
の否定は常に誤謬なのです。工藝の美を支える力は名もなき民衆なのです。あの天才すら
及び難い無心の作を産む民衆なのです。読者よ、もしここに在銘の作と無銘の作とがあっ....
「三国志」より 著者:吉川英治
蜀の良将はこうして一星一星、暁の星のように姿を消して行った。何かしらん力を以ては
及び難いものが蜀の年々に黒框の歴史事項を加えていた。 蒋※はついに丞相にはなら....