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「及ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

及ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
幸い、まずその用向きを尋ねて見ました。 すると甚内の申しますには、あの男の力に及ぶ事なら、二十年以前の恩返しに、北条屋の危急を救ってやりたい、差当《さしあた》....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
御目にかかると申す事は、姫君も御嫌《おいや》ではございますまい。とにかく私の力の及ぶ限り、御対面だけはなされるように御取り計らい申しましょう。」 ....
おしの」より 著者:芥川竜之介
、食欲《しょくよく》が進まない、熱が高まると言う始末《しまつ》である、しのは力の及ぶ限り、医者にも見せたり、買い薬もしたり、いろいろ養生《ようじょう》に手を尽し....
羅生門」より 著者:芥川竜之介
内には、噂に聞いた通り、幾つかの死骸《しがい》が、無造作に棄ててあるが、火の光の及ぶ範囲が、思ったより狭いので、数は幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
ざいまする。わたくしはもう二三年致せば、多門はとうてい数馬の上達《じょうたつ》に及ぶまいとさえ思って居りました。………」 「その数馬をなぜ負かしたのじゃ?」 「....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
き。……猶《なお》も船の纜《ともづな》に取りつき、腰になり脇になり、丈《たけ》の及ぶほどは、引かれておわしけるが、丈も及ばぬほどにもなりしかば、また空《むな》し....
星座」より 著者:有島武郎
な態度だろうかとおぬいはよく考えてみるのだった。禁酒会員である以上は、自分の力の及ぶかぎり飲酒を諫《いさ》めなければならないとも思った。その人が溺《おぼ》れてい....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
のみ考えれば、その躊躇は正当なことだとさえいえる。然し凡ての生存は、それが本能の及ぶだけ純粋なる表現である場合に最も真であるという大事な要件が許されるならば、本....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
果を知っているのはあなたばかりであります。この根元の法則は捕えどころもなく、その及ぶ範囲も普通の常識ではとても測り知ることができません。ただヴェダであらせられる....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
たに帰幽した者を取扱うことにかけてはこの上もなくお上手で、とても私などの足元にも及ぶことではありませぬ。私などは修行も未熟、それに人情味と言ったようなものが、ま....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
霊を背負い込むからである。そして最後に、犯人を極刑に処するに至りて、その愚や真に及ぶべからずである。肉体に包まれている間は、霊魂の働きに限りがあれど、一たび肉体....
島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
気がした。話題は多分刊行中の長塚節全集のことだったであろう。島木さんは談の某君に及ぶや、苦笑と一しょに「下司ですなあ」と言った。それは「下」の字に力を入れた、頗....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
た様に、盛んに発見をしつつ、同時に内職で莫大の収入を得るということは、人力の企て及ぶ所でないからだ。しかし、それも確かでないので、ファラデーの収入書が保存されて....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
てイカバッドの話が出ると、深く事情を知っているような顔つきをし、話が南瓜のことに及ぶと、愉快そうに爆笑したので、ひとびとのなかには、彼が事件をもっとくわしく知っ....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
は単に一本生えているということは尠い、多くは十数本もしくは数十本数百本の夥しきに及ぶことがある。親しげな情を動かして一本一本静かにこれを抜き取ってから、予め用意....