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「双幅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

双幅の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
しずり》を貼《は》った屏風《びょうぶ》と床にかけた紅楓黄菊《こうふうこうぎく》の双幅とのほかに、装飾らしい装飾は一つもない。壁に沿うては、五十に余る本箱が、ただ....
草枕」より 著者:夏目漱石
うじ》を、からりと開《あ》ける。内は空《むな》しき十畳敷に、狩野派《かのうは》の双幅《そうふく》が空しく春の床《とこ》を飾っている。 「久一さん」 納屋《なや....
」より 著者:夏目漱石
を受けたものである。その時はめでたいからと云うので、客間の床《とこ》には必ず虎の双幅《そうふく》を懸《か》けた。これは岸駒《がんく》じゃない岸岱《がんたい》だと....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
。ラファエルに寸分違わぬ聖母の像を二枚かけと注文するのは、全然似寄らぬマドンナを双幅《そうふく》見せろと逼《せま》ると同じく、ラファエルにとっては迷惑であろう、....
丹下左膳」より 著者:林不忘
守と一風と、二丁のお駕籠が本陣の前にとまりました。 五 本陣の奥の広間。何やら双幅《そうふく》のかかった床の間を背に、くつろいだ御紋付きの着流し、燭台の灯にお....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
格子をあけると、狭い土間の取っつきに、夏なので障子をとり払い、すだれが二枚、双幅のように掛かっている。 宗七と二人きりの、小さな家で、雇人を置く生計《くら....
丹下左膳」より 著者:林不忘
れん坊、しびれをきらしてきた。畳《たたみ》を焼いて煖《だん》をとったり、みごとな双幅《そうふく》や、金蒔絵《きんまきえ》の脇息《きょうそく》をたたッこわしたり、....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。だが、床の間には祖父が書いて貰って昔からかかっていた安積事業詩史という字一杯の双幅がかかって居り、書院の柱には天君泰然百體從令、心爲形役乃獸乃禽という二本の聯....
剣侠」より 著者:国枝史郎
る様は、きらびやかで美しく、そういう座敷の正面に、嵯峨野を描いた極彩色の、土佐の双幅のかけてある床の間、それを背にして年は六十、半白の髪を切下げにし、肩の辺りで....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
ぼし」独逸ベルリン日本画展出品 同 七年 「虹を見る」 同 八年 「春秋双幅」高松宮家御用品 同 九年 「青眉」京都市展出品「母子」帝展第十五回出品....
私の仕事 松篁の仕事」より 著者:上村松園
二十年来の画債整理と、皇后陛下よりの御用命に依り、双幅藤原時代美人数名の揮亳完成を期するために、今度は是非に謹製致したいと思いなが....
南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
の空気は、座敷の隅まではいって来た。そして床の間には、漱石《そうせき》先生の詩の双幅《そうふく》がかかっていた。 一年南画を勉強して、誰の前ででも平気で描くに....