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「双方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

双方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
「うむ、生意気な! どうしたい?」 「相手になると、事がめんどうになって、実は双方とも商売のじゃまになるのだ。そこで、会社のほうでは穏便《おんびん》がいいとい....
婦系図」より 著者:泉鏡花
って、意気|頗る昂然たりで、 「講堂で良妻賢母を拵えて、ちゃんと父兄に渡す方が、双方の利益だもの。教頭だって、そこは考えているよ。」 「で何かね、」 早瀬は、....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
はするが、その光輝は次第に薄らぐであろう。いよいよ巨人軍と神々との戦闘が始まると双方に夥しい戦没者ができる。そうしてかの火の神ハイムダルも瀕死の重傷を受けるであ....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
は連合軍に比し多くの点で極めて優秀でありましたが、兵力は遥かに劣勢であり、戦意は双方相譲らない有様で大体互角の勝負でありました。ところがヒットラーがドイツを支配....
天守物語」より 著者:泉鏡花
ひれ伏す。 亀姫 お許し。 しとやかに通り座につく。と、夫人と面を合すとともに、双方よりひたと褥の膝を寄す。 夫人 (親しげに微笑む)お亀様。 亀姫 お姉様、お....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
向いたり。双紙を開き、筆を取りて、客の物語る所をかき取らんとしたるなるが、学円と双方、ふと顔を合せて、何とかしけん、燈火をふっと消す。 百合 どんなお話、もし、....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
。 もうもう今までとてもな、腹の汚い、慾に眼の眩んだ、兄御のために妨げられて、双方で思い思うた、繋がる縁が繋がれぬ、その切なさで、あわれや、かぼそい、白い女が....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
、不心得、失礼なことはいたさなかったろうと思います。 確に御縁着きになる。……双方の御親属に向って、御縁女の純潔を更めて確証いたします。室内の方々も、願わくは....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
うな筋ではないから、本名で言っても差支えはなかろう。その時の連は小村雪岱さんで、双方あちらこちらの都合上、日取が思う壺にはならないで、十一月の上旬、潤年の順にお....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ずかずか……と、もう寄った。 「いや、御苦労。」 と一基の石塔の前に立並んだ、双方、膝の隠れるほど草深い。 実際、この卵塔場は荒れていた。三方崩れかかった窪....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
上ったでございましょう。兎に角現世の見舞者よりはずっと賑かでございました。第一、双方の気分がすっかり異います。一|方は自分達の仲間から親しい人を失うのでございま....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
太脛から曲げて引上げるのに、すんなりと衣服の褄を巻いて包むが、療治をするうちには双方の気のたるみから、踵を摺下って褄が波のようにはらりと落ちると、包ましい膝のあ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ヤコヤと叱り留めて、所得税を納める者まで入交って、腕力沙汰は、おい、何事じゃい。双方聞合せて、仔細が分ると、仕手方の先見|明なり、杖の差配さえ取上げそうもないこ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
座浅草。むかしは吉原の全盛の色香に心を引かれたらしい。――三の輪の知人在宿にて、双方心易く、四方山の話に夜が更けた。あるじ泊りたまえと平にいう。いや夜あるきには....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
の上をずッと、鶏のわきへ出なさると、運八の次に居た、その富さんが座を立って出て、双方でお辞儀をして、目を見合って、しばらくして、近常さんが二度ばかり黙って頷くと....