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双眸
「双眸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
双眸の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
珀《こはく》というものよりも遥《はる》かに美しく輝いていた。彼は身動きもしない。
双眸《そうぼう》の奥から射るごとき光を吾輩の矮小《わいしょう》なる額《ひたい》の....
「野分」より 著者:夏目漱石
や》く光りは、光りそれ自《みず》からの溶《と》けた姿である。不可思議なる神境から
双眸《そうぼう》の底に漂《ただよ》うて、視界に入る万有を恍惚《こうこつ》の境に逍....
「運命」より 著者:幸田露伴
の愚庵先生第二子として生れたり。天賦も厚く、庭訓も厳なりしならん。幼にして精敏、
双眸烱々として、日に書を読むこと寸に盈ち、文を為すに雄邁醇深なりしかば、郷人呼ん....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
新子に話す時などとは違って、小娘のようにはずんでいる。 つばの広い帽子の下で、
双眸がはれやかにまたたき、さわやかな風に頬をなぶらせ、夫人はまるで別人のようには....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
あろう。 ぼくはこんなことを考えながら望遠鏡をとって東のほうを熱心にながめた、
双眸のふるかぎりはただ茫々寂々たる無辺の大洋である。 そのあいだに一点の帆影も....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
な形。
大小二剣の尺と、両腕をいっぱいにひろげた尺とを合わせると、彼の爛々たる
双眸を中心として、かなり広い幅になる。
敵が、正面を嫌って、
(――右)
と....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、敵をして、自己の生気を危ぶませるほど吸引する。 射る眼は、巌流のものだった。
双眸の中を、虹が走っているように、殺気の光彩が燃えている、相手を射竦めんとしてい....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
が映った。 が――しかし、それは美しい仲之町の名妓お才の面影ではなかった。鋭い
双眸をもった男の悪相! ギラリと、お綱を睨むようにかすって消えた。 「あッ」 ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
えて、 「オッ。いざ来い!」 と無銘の皓刀、ふたたび、八相の天に振りかぶって、
双眸らんらん、四面に構えた。 「むむッ」 「おおッ」 と取りかこむ数多の人数―....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
う。その本心が分ったので、ひとつの大事をそちに打け明けたいと思う」 澄みきった
双眸があたりへ動いた。 「でその上に、是非ともきいて貰わねばならぬ頼みがある」 ....