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双肩
「双肩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
双肩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
》の背に流るるを覚ゆ。貧窮《ひんきゅう》、病弱《びょうじゃく》、菲才《ひさい》、
双肩《そうけん》を圧し来って、ややもすれば我れをして後《しり》えに瞠若《どうじゃ....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
驚異のそれに変っていた。市九郎は梳《くしけず》らざれば、頭髪はいつの間にか伸びて
双肩を覆い、浴《ゆあみ》せざれば、垢づきて人間とも見えなかった。が、彼は自分が掘....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
日本が他日、この地方への大飛躍を試みるとき、その根底となる測地の完成が、いま彼の
双肩にかかっている。つまり、外国製地図の誤謬《ごびゅう》をただし、一度も日本人の....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
りお前さんだったネ。妾はずいぶん待っていたのよ。……」 そういいながら女は僕の
双肩に腕をかけて、プンプンするアルコールの蒸気を吹きかけた。僕は怺えながら、 「....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
る狼狽は、国難をして遂に収拾すべからざる状態に導くものである。皇国の興廃は諸君の
双肩に懸れり、それ奮闘努力せよ。右布告す。昭和十×年五月十日。東京警備司令官陸軍....
「家」より 著者:島崎藤村
あった。顔を合せる度に、二人は種々な感に打たれた。でも、正太は元気で、父の失敗を
双肩に荷おうとする程の意気込を見せていた。 「正太さん。姉さんも余程|沈着いて来....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
流各種の催能はすべて翁の支配下に属しなければならぬという大責任が、それから後翁の
双肩に落下した訳である。 かくしてこの神曲「翁」披露能後に認められた翁の人格と....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
(そうだった。軽々しいことはできない) 太刀川は、一歩手前で、気がついた。彼の
双肩には、祖国日本の運命がかかっているのだ。リキーと闘って勝てばいいが、もし負け....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
五年だけであった。それゆえ中村屋の基礎を築いた創業以来の十五ヶ年は、店は全く妻の
双肩にあった訳で、中村屋の今日を成したものは大部分彼女の力である。元来小売商売は....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
勝負あった! 勝ちは要介! 非ず、見よ、次の瞬間、多四郎の胸大きく波打ち、
双肩渦高く盛り上ると見るや、ヌッと一足前へ出た。 と、一足要介は下った。 多....
「外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
に深更まで外相官邸に留まって、今後の捜索方針を凝議したが、犯人捜索の責任は自分の
双肩にかかっているので、さすがに興奮の色をその顔に浮べていた。 三....
「勝太郎」より 著者:兼常清佐
囲で私共にリードとして与えるのが、――大げさに言っておどかせば、――正に勝太郎の
双肩にかかった大仕事である。決して軽々しくやられない。あらゆる点に深甚な音楽的な....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
に背かぬような仕事が出来るかどうか。余は寧ろ此の話を聴きながら身に余る重い負担を
双肩に荷わされたような窮屈さを感じないわけには行かなかった。けれどもこの時の余は....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
災は免れたけれども、多少の震災は免れなかった三菱村の諸建築の事は一にかかって氏の
双肩にあるのだもの。わがホトトギス発行所たる丸ビルの一室が気になって来た私とは大....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
めて聞くものには作り咄としか思われないだろう。 何しろ当夜の賓客は日本の運命を
双肩に荷う国家の重臣や朝廷の貴紳ばかりであった。主人側の伊井公侯が先ず俊輔聞多の....