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「双親〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

双親の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
して、動いている胎児の事を、それからそれへと、とめどなく思いつづけた。――彼女は双親《ふたおや》を覚えていない。生まれた所の様子さえ、もう全く忘れている。なんで....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
城下を離れた夜《よ》、とうとう一封の書を家に遺して、彼等の後《あと》を慕うべく、双親《ふたおや》にも告げず家出をした。 彼は国境《くにざかい》を離れると、すぐ....
富士」より 著者:岡本かの子
かった。もとより女自身からは乗り出せない。そういう触手は亀縮《かじか》んでいる。双親を通して申込まれる山々からの縁談も無いことはないのだが、ぜひ自分でなくてはと....
十二支考」より 著者:南方熊楠
そんな孝行をして見たいが子孝ならんと欲すれども父母|俟《ま》たずで、海外留学中に双親《ふたおや》とも冥途に往かれたから今さら何ともならぬ。 (四) 史....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ったような気がするのです。 喜平との七年の結婚生活は夢のようだった。十九の年に双親の勧めるまゝに、処女の純潔を彼に捧げてから今まで、必ずしも幸福に充ちてはいな....
黄金鳥」より 著者:鈴木三重吉
高いところに戸口がたった一つついているきりです。その戸口には錠がかかっています。双親は、どうしてこんな家がひょっこり建ったのだろうとふしぎでたまりませんでした。....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ラビヤと異なるを録していわく、支那人同姓と婚せず、いわく他姓と婚すれば生まるる子双親に優ると。かかる説は古く既に『左伝』にあったと記憶す。かく同姓婚を忌んだ余勢....
十二支考」より 著者:南方熊楠
入れ置き、彼わが家宝を盗んだと訴え、青年捕縛されて串刺《くしざ》しに処せられた。双親老いて若い子の冤刑《えんけい》に逢い、最も悲しい悲しさに涙の絶え間なしといえ....
家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
っと昔から知り合っている中のように、極親密に話したのだ。子供の時の事も聞いたし、双親の事も聞いた。双親とも亡くなって、一人ぼっちなのだそうだ。あんな風になったの....
小説 円朝」より 著者:正岡容
ってきてさっそく外出着《よそゆき》に着換えて出掛けるとき、たまたま来合わせていた双親に、弟子たちに、明るく圓朝はこういった。 「エ、真打が、お前《めえ》の」 「....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
孤児ほどかえって恋愛に弱く、孤独のさびしさにも弱い人が多くはないか。四十五十まで双親の健在な人々の方に平気で女性をもてあそんだり独身でいられたりする人たちが多く....
世間師」より 著者:小栗風葉
ゃ来年は二十だ。私なんかそのころはもう旅から旅を渡り歩いていた。君はそれで、家も双親も国にはあるんだっけね。じゃ、早く国へお帰んなせえ。こんなとこにいつまでも転....
大岡越前」より 著者:吉川英治
さん、おっ母さんと呼ばせてくれたら、私はすぐ死んでもよいと思います。ああ自分も、双親を持った人の子ぞ……と思って、どんなに嬉しかろうと思います」 「望みは、キッ....