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反し
「反し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
反しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
人の労働者は単に日本人と生まれたが故に、パナマから退去を命ぜられた。これは正義に
反している。亜米利加《アメリカ》は新聞紙の伝える通り、「正義の敵」と云わなければ....
「或る女」より 著者:有島武郎
りますの」
と答えないわけには行かなかった。その声は葉子の目論見《もくろみ》に
反して恐ろしくしとやかな響きを立てていた。するとその男は大股《おおまた》で葉子と....
「或る女」より 著者:有島武郎
よこした。葉子は――倉地におぼれきっている葉子は鼻の先でせせら笑った。
それに
反して倉地の仕事のほうはいつまでも目鼻がつかないらしかった。倉地のいう所によれば....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
うふん》のためによろめいた。
(四)
春の天気の順当であったのに
反して、その年は六月の初めから寒気と淫雨《いんう》とが北海道を襲って来た。旱魃《....
「星座」より 著者:有島武郎
。長く立ちつづけていた彼の足は少ししびれて、感覚を失うほど冷えこんでいた。それに
反してその頭は勇ましい興奮をもって熱していた。
昂奮《こうふん》が崇《たた》っ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。よし私は矛盾の中に住み通そうとも、人生の味いの凡てを味い尽さなければならぬ。相
反して見ゆる二つの極の間に彷徨うために、内部に必然的に起る不安を得ようとも、それ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
られた時代が現代の文明に及ぼした影響については何らの確信もないのであるが、これに
反して、かのカルデア及びエジプトにおける古典的地盤の時代に遡ってこのような影響を....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
手段が主として採用されるのであります。 フリードリヒ大王は、最初は当時の風潮に
反して会戦を相当に使ったのでありますが、さすがのフリードリヒ大王も、多く血を見る....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
き面が存するであろう。 ただしアメリカが自由主義から堂々と統制主義に前進したに
反し、イタリアもドイツも日本も、遺憾ながら逆に專制主義に後退し、一部のものの獨裁....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ぬ気色である。 夫人、するりと膝をずらして、後へ身を引き、座蒲団の外へ手の指を
反して支くと、膝を辷った桃色の絹のはんけちが、褄の折端へはらりと溢れた。 「厭だ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
はしゃいだところがなく、どちらかといえばしとやかで、引込思案でございます。これに
反して玉依姫系統の方は至って陽気で、進んで人中にも出かけてまいります。ただ人並み....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
燐光でさえもが、右にのぶる如き好条件の下にありては、青く冴え亘って煙がない。之に
反して条件が悪ければ其光が鈍く汚く燻っている。 註――当時モーゼスの交霊会上には....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
、外国と通商条約を取結びながら、或る産物を或る一国に専売するがごとき万国公法に違
反したる挙動ならずやとの口調を以て厳しく談じ込まれたるが故に、政府においては一言....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
株の間を眺めたりすると、其処に案外沢山のめざましい彼の猪の鼻すぐに腐敗し易いのに
反し、晩秋の茸は霜を戴いて猶食し得るものが多い。初茸、シメジ、獅子茸の類は初秋の....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
き(カイゼルは政治は支配していたけれども統帥は制御する事が出来なかった)。これに
反し、クレマンソー、ロイド・ジョージに依り支配せられその信任の下にフォッシュが統....