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反り
「反り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
反りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
こう云う能勢の声がした。皆が一時にふき出したのは、云うまでもない。中にはわざわざ
反り身になって、懐中時計を出しながら、能勢の父親の姿《スタイル》を真似て見る者さ....
「星座」より 著者:有島武郎
、美しい眼が下向きに、滴り落ちる酒にそそがれて、上瞼の長い睫毛《まつげ》のやや上
反りになったのが、黒い瞳のほほ笑みを隠した。やや荒《すさ》んだ声で言われた下卑た....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
たまま、じっと彼の運命を待ちつづけていた。その間もやはりおのずから甲板のじりじり
反り返って来るのに幾分か不安を感じながら。…… (昭和二年六月十日)....
「海異記」より 著者:泉鏡花
たのがよ、一掬いにずッと伸した! その、十丈、十五丈、弓なりに上から覗くのやら、
反りかえって、睨むのやら、口さあげて威すのやら、蔽わりかかって取り囲んだ、黒坊主....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
着くことができた。運転手に一両渡したが、かのオジサンは六十銭を僕に返して、浩然と
反りかえった。 「あっし等の仲間には、慾張りや不正直な奴なんか一人もないのでさあ....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
とした。そこには着飾った森おじ――ではない森虎造が落ちつかぬ顔をしながら、強いて
反り身になって威厳を保とうとしているのだった。 「布告を読みあげる。――」と、森....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
見たり、こうやってベラベラ喋られるかい。ハッハッハッ」女史は、目を瞑じたまま後へ
反りかえって笑った。隣の老人が駭いて、女史の身体を後から支えたほどだった。 「い....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
とを特別に保護するのですか」 「特別に保護なんかしてないさ」 課長は椅子にふん
反りかえった。 しかし被害者の実兄の住所を極秘にしていることは、何か特別のわけ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
そして黄色く乾涸びたような貧弱な暗い女性だった。痩せた顔は花王石鹸の商標のように
反りかえっていて、とびだしたような大きな目の上には、厚いレンズの近視鏡をかけてい....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
、うしろをふりかえってみると、何時の間に現れたのか、そこには当の油学士が、いやに
反り身になって突立っていたではないか。 「ああ醤主席、あなたが心痛されるのは、そ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
て、よい経験を得たように、しかし、汚らしそうに、撮んで拡げました。 (よう!)と
反りかえった掛声をして、 (みどり屋、ゆき。――荷は千葉と。――ああ、万翠楼だ。....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、口をひょっとこにゆがませると、所作の棒を杖にして、コトコトと床を鳴らし、めくら
反りに胸を反らした。 「按摩かみしも三百もん――ひけ過ぎだよ。あいあい。」 あ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
覚しき一個の親仁。面長く髪の白きが、草色の針目衣に、朽葉色の裁着穿いて、草鞋を爪
反りや、巌端にちょこなんと平胡坐かいてぞいたりける。 その岩の面にひたとあてて....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
幽霊が、ぬけ上った青い額と、縹色の細い頤を、ひょろひょろ毛から突出して、背筋を中
反りに蜘蛛のような手とともに、ぶらりと下る仕掛けである。 「可厭な、あいかわらず....
「活人形」より 著者:泉鏡花
込んだ。と微酔も醒めて蒼くなれば、下男は何事やらんと外を望み、泰助を見ると斉しく
反り返りて、「旦那々々、あれは先刻病院に居た男だ。と聞いてますます蒼くなり、「え....