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「反噬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

反噬の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
ような淋しさにとらわれる。俺は自分で、孤独を求めてきた。が、その孤独は、すぐ俺を反噬《はんぜい》し始めた。しかも、俺の孤独の淋しさの裏には、激しい焦躁の心が潜ん....
食魔」より 著者:岡本かの子
人に対しては対蹠的に、いつも東洋芸術の幽邃高遠を主張して立向う立場に立つのだが、反噬して来る檜垣の主人の西洋芸術なるものを、その範とするところの名品の複写などで....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、人を呪う言葉は最後まで残っていると云うじゃないか。また、すべて人間が力尽きて、反噬する気力を失ってしまった時には、その激情を緩解するものは、精霊主義以外にはな....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
巧に人情の焦点を衝いて、支倉をして深く感銘させた為であって、彼が将来署長に向って反噬を試みようなどとは夢にも思っていなかった。その為にも早証拠蒐集等の事をなさず....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
すさまじい叫びを立てて、いったん転倒したり、跳ね上ったりしたが、やがて立て直して反噬《はんぜい》の牙を揃える。 普通の場合ならば、大抵の犬ならばこれで尻尾を捲....
巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
へ向く。デカダン時代の風雅に養成された彼は、今日の唯物的健康なるものに対して悉く反噬する。 「このごろ西の郊外に出来る新住宅の様式は、あれは建築ではないね、あれ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、家来筋の師直となす思惟が直義には抜けきれない。そんな男がしかも堂々とこのような反噬に出て来たことが、何とも心外だし堪忍ならぬものに憤られる。 だがこの非常事....