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反歩
「反歩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
反歩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ずかしい言葉で昨夜の契約書の内容をいい聞かし初めた。小作料は三年ごとに書換えの一
反歩二円二十銭である事、滞納には年二割五分の利子を付する事、村税は小作に割宛てる....
「雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
示してくれる。その中にも山頂に落ちた白雪は、私の神経を刺戟することにおいて、幾百
反歩の雑木林の動揺と、叫喚とにも、勝っている。 その新雪光る富士山の巓《いただ....
「名勝地帯」より 著者:黒島伝治
ヤがんだい! 便所なしに、一体、野グソばっかし、たれられるかい!」 米吉は、三
反歩の小作と、笊あみの副業で食っている。――そこは森林が多かった。御料林だった。....
「転機」より 著者:伊藤野枝
足跡を拾って、ようようのことで蘆間の畑に働いている人の姿をさがし出した。そこは一
反歩くらいな広い畑で、四五人の人が麦を播いていたのだ。私達がS青年の家への道を聞....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
階に三室、二階に三室、その上に一つの屋根裏の部屋《へや》があり、家のうしろに約二
反歩たらずの庭があった。二人の女は二階を占領し、司教は階下《した》に住んでいた。....
「砂糖泥棒」より 著者:黒島伝治
の小作をしていたが、それはやめて、田は地主へ返えしてしまった。そして、親譲りの二
反歩ほどの畠に、妻が一人で野菜物や麦を作っていた。 「俺らあ、嚊がまた子供を産ん....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
りこまれた種は、喜海の手で丁寧に土がかぶせられる。見る見るうちに、こうやって一|
反歩の種播は終りを告げる。 蒼みがかった夢の雰囲気がますます濃やかになる。今や....
「選挙漫談」より 著者:黒島伝治
田畑も所有しない純小作人もある。が、五段歩ほど田を持っている自作農もいる。又、一
反歩ほど持っている者もいる。そこで「吾々貧乏人は……」と云われても、五
反歩の自作....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
には余分の金など、地主たちを除いては一文もなかったのである。ところで儀作自身は三
反歩の自作地を山の傾斜面に持っていたし、それに隣ってほぼ同じほどの面積の小作田も....
「米」より 著者:犬田卯
ついで、そしてとっとと坂を駈け下りた。 一日も早く植えてしまわなければならぬ八
反歩ばかりの田を控えて、赤ん坊の手さえ借りたい今明日、尋常六年生のおさよは無論の....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
に風になびかせた。数年この方、彼は耕さなかったのである。しかも自己の持地に隣る三
反歩の小作田まで一様に死田化して顧みなかったのだ。 水田ばかりではなかった。畑....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
婆は、一人言のようにぼそぼそと、こんな意味のことも言った。 「わしの村は、稲田一
反歩から二斗ばかしか取れなかった。それで、みんな外米を買って喰べているが、それを....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
た。 十九 山陰の窪地に水が溜っている、不規則な楕円形の、広さは一
反歩もあろう、雑木林に囲まれて水の色は青い。湯島のお吉さんは凄い池ですといったが....
「里の今昔」より 著者:永井荷風
えた。吉原田圃はこの処をいったのである。裏田圃とも、また浅草田圃ともいった。単に
反歩《たんぼ》ともいったようである。 吉原田圃の全景を眺めるには廓内京町《かく....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
よると空中に新しい島が思っただけ製造出来るわけですね」 「まったくそうですよ。一
反歩の畑を造りたいと思えば、それだけ飛行機の翼の上に――翼はすべてアルミで造りま....