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「反照〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

反照の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:夏目漱石
は始めて一人遠くに来た心持がした。けれども頭の中は、周囲の幽静な趣《おもむき》と反照《はんしょう》するためか、かえって町にいるときよりも動揺した。 約一時間も....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
の苦心です」「よほど苦心をなすった痕迹《こんせき》が見えます」「あまいとからいと反照するところなんか十七味調《じゅうしちみちょう》唐辛子調《とうがらしちょう》で....
近時政論考」より 著者:陸羯南
すること自然の結果なりというべし。学者間において政論の二派に分かるる以上は、その反照として政事家間にもまた隠然両派の党を生ずるに至らん、何となれば当時の政事家は....
虚子君へ」より 著者:夏目漱石
涼な感じが起るんです。左右前後の綺羅《きら》が頭の中へ反映して、心理学にいわゆる反照聯想《はんしょうれんそう》を起すためかとも思いますが、全くそうでもないらしい....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
となった。 見る見るその雲の大隆起の下には、火の川が一筋流れ、余光が天上の雲に反照して、篝火が燃えたようになった。 油紙の天幕には、チロチロと漣の刻むような....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
踊る地平線 長靴の春 谷譲次 1反照電熱機のような、香橙色の真ん円な夕陽を、地中海が受け取って飲み込んだ。同時に....
尹主事」より 著者:金史良
った。(空は淋しいだろうな) 或る夕暮私はこの丘の上に立ったことがある。入日の反照を受けた荒蕪の野の遙か遠くには、小川の流れが仰向けに黄色くなって倒れている。....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
していた。彼の眼にはそれが見えなかった。しかしそれは彼の上に、おのれの隠れた光の反照を投げかけていた。その魂は貪慾《どんよく》であって、現在の男や女や大地や情熱....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ものでほとんど光輝であった。その額《ひたい》の上には、目に見えぬ光明の言い知れぬ反照があった。睡眠中の正しき人々の魂は、ある神秘なる天をながめているものである。....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
サン・マルタン劇場の前を通った。その日の芝居は二人の囚人というのであった。劇場の反照燈に照らされたその看板が彼の目を引いた。彼は早く歩いていたにもかかわらず、立....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の下にその源泉の大きさが感ぜられた。愛に貫かれてるそれらの息吹《いぶき》の中に、反照と反映との行ききの中に、光の驚くべき濫費《らんぴ》の中に、黄金の液の名状し難....
地上」より 著者:島田清次郎
苦しんでいる恋愛の心理ははっきり分らなかった。けれど苦しさの程度は自分の苦しみに反照して推察出来ないでもなかった。純な人ずれのしない青年の永井が世間から見れば破....
それから」より 著者:夏目漱石
、又ウイスキーの力を借りようと覚悟した。 彼はこの取り留めのない花やかな色調の反照として、三千代の事を思い出さざるを得なかった。そうして其所にわが安住の地を見....