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反目
「反目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
反目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
轢《あつれき》し合った。そこには何か宿命的な、必然の力も動いていた。彼は敵味方の
反目に不快な感じを抱きながら、しかもその
反目のただ中へ、我知らず次第に引き込まれ....
「或る女」より 著者:有島武郎
に立ちはだかった。その結果|二人《ふたり》の間には第三者から想像もできないような
反目と衝突とが続いたのだった。葉子の性格はこの暗闘のお陰で曲折のおもしろさと醜さ....
「片信」より 著者:有島武郎
僕の感想文というのは、階級意識の確在を肯定し、その意識が単に相異なった二階級間の
反目的意識に止まらず、かかる傾向を生じた根柢に、各階級に特異な動向が働いているの....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
さいとうくらんどしゃうかい》が、かねてより人質酬《ひとじちむく》いが因《もと》で
反目しあっていた、日貴弾左衛門珍政《へきだんざえもんちんせい》のために攻め滅ぼさ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
宙の中に真に渺《びょう》たる存在であるわが地球、その地球に棲む人類たちが、互いに
反目したってそこに何の益があろうか。宇宙は広大である。数十億数百億の恒星に付随す....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
活動によって益※練絹の外衣の下に襤褸の肉衣を着る)、本能の如き嬌態、女性間の嫉視
反目(姑と嫁、妻と小姑の関係はいうまでもあるまい。私はよく婦人から同性中に心を許....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
。ただ彼等の智略が、馬場、内藤、山県等に及ばなかった事、既に前年、争論の結果、相
反目して居た。この戦の前年即ち天正二年の末、山県の宿で馬場、内藤及び高坂昌隆の四....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
敵視せらたるがごとし、しかして現政府の反対たる自由・改進の二派が時としては互いに
反目激争のことありしは思うに他に理由あるべしといえども、一は国権論の上にはなはだ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
半であがった。三反の上帛を織りあげて、姫の心には、新しい不安が頭をあげて来た。五
反目を織りきると、機に上ることをやめた。そうして、日も夜も、針を動した。 長月の....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
の意志を固くした。また、女王とクリームヒルトの仲も、不仲というより、むしろ公然と
反目し合うようになった。そうして、やがてハーゲンは、一つの奸策を編み出したのであ....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
に陽気で愉快だった。これは同業者――同じ文筆稼業人と一緒だったら、そこに商売敵的
反目嫉視などが這入って不愉快だったろうと思うよ。 米国人が沢山乗っていた。 ....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
た。 ところが、その普国と墺国とは、それ以前から、隣国というところから、却って
反目嫉視し合っていた仲であった。 そういう国際関係の渦中にあって、しかも敵国と....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
動機であってもその人の親切を無にするというのは宜しくない事でもあり、かつその人と
反目することは甚だ不得策でありますから向うの親切よりも私はなお一層親切にしたです....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
たがって、その両宗の間に大葛藤の暗潮があるらしい。 かくのごとく両教徒が互いに
反目敵視しておるにもかかわらず、その余情を決して平常の社交上に及ぼさず、新旧両教....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ついでその皇子が即位された。後宇多天皇がそれである。両統の臣下も各々二つに分れて
反目するに至った。幕府はそこで、後深草院に同情申し上げて、その皇子を後宇多天皇の....