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反証
「反証〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
反証の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
の迷信は幸にも次第に消えて行った。のみならず彼は西洋史の中に少くとも彼の迷信には
反証に近いものを発見した。それは羅馬《ローマ》の建国者ロミュルスに乳を与えたもの....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
あえて越ゆべからざる埓《らち》を越えようは思わないのだ。私のこんな気持ちに対する
反証として、よくロシアの啓蒙運動が例を引かれるようだ。ロシアの民衆が無智の惰眠を....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
な三重の心理が築かれてゆきました。そして、そのためには、たとえどのように、力強い
反証が挙がろうとも、現在の十四郎は絶対に鵜飼邦太郎その人であり、さらに、そうなる....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
である。それで地球の内部の比重はその外層のよりも大きいと仮定しても、それに対する
反証は何もない。実際――今日我々の知る通り――この比重の比は二と一の割合になって....
「人間灰」より 著者:海野十三
を捜しあてて持ってくるかも知れません。……手錠を早く外して貰いたいために、貴下は
反証なんかを挙げて署長を駭かせたが、貴下は自らの罠にかかったのです。珠江夫人は本....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
いだため捲取機を使用せずに直接手で手繰り降してしまった事です。この推定に対しての
反証は、今朝急いでグローブなしでハンドルを掴んだこの係の方の指紋以外に、被害者の....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
。与市の母や兄はもちろん不承知であった。しかし里方としても確かに不義でないという
反証を提出することは出来なかった。与市の母や兄は身分ちがいの悲しさに、しょせんは....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、易介の咽喉を切り、そうして失神の原因を作ったと見なけりゃならない。僕は、そこへ
反証が挙りゃしないかと、そればかり懼れているところなんだよ。だいたい、包囲形を作....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
構内に足跡がないからだよ。と云って、犯人を姉妹の中に想像することは、鐘声が明確な
反証を挙げているのだからね。結局、犯人は霙の降りやんだ二時頃にはすでに堂内にいて....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
てどうも乗気でないのであった。その理由は判然《はっきり》しないが、もちろん確たる
反証があるわけではなく、ただ漠然たる感じとして、三津子を犯人に択ぶには物足りなさ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
のなかを掠めて行った。僻目であろうかと恐れたが、それかといって、その疑を払拭する
反証をも捉え得なかった。 鶴見は気張って、痩っぽちの裸体を風呂屋の洗い場で彼に....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
うと一向に構いませんわ。仮令、私が犯人にされた所で、菩薩にあるまじき邪悪の跡に、
反証を挙げてさえ頂ければ……。けれども、孔雀明王が残した吸血の犯跡が、依然として....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
は、さらに多くの類例を求めて、その上に帰納的論究が試みられねばならぬ。そしてもし
反証が提出せられて、それが不成立になるならば、潔く撤回すべきである。しかしながら....
「城」より 著者:カフカフランツ
いこうとして、フリーダのところにとどまろうとはしなかったことが、この告発に対する
反証ではなかったろうか? Kはそんなこともいってみた。
「そんなふりをしているの....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
書が読み上げられた。ついに検事総長が、犯人の無信仰についての一場の演説のあとで、
反証の供述を差し許すと、もう一度、法廷は混乱に陥り、そしてもう一度ベエコンは中心....