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「反身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

反身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
「野村はまだ来ていないか。」 俊助がこう尋ねると、大井は胸の上に両手を組んで、反身《そりみ》にあたりを見廻しながら、 「まだ来ないようだ。――来なくって仕合せ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
「へい。」 「それだって廉くはない。」 三十 亭主は膝を抱いて反身になり、禅の問答持って来い、という高慢な顔色で。 「半|価値は酷うげす。植木....
聖書」より 著者:生田春月
妙な恰好をしたキュラソオの瓶とを盆に載せて持って来た時、Kさんは安楽椅子にずっと反身になって、上靴をつけた片足を膝の上に載せて、肱をもたげて半ば灰になった葉巻を....
」より 著者:海野十三
じゃ明けるぞオ」 一同の顔はサッと緊張した。軍団長イワノウィッチは、大刀を立て反身になって、この際の威厳を保とうと努力した。 「よォし、明けろッ」 「明けるぞ....
地中魔」より 著者:海野十三
か。つまりわしが頼まれたことになるのじゃ。オホン」 大辻老はそこで大将のように反身になったが、テーブルの上の麦湯の壜をみると、忽ちだらしのない顔になり、ひきよ....
不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
のだった。ヴィクトル・エマヌエル第一世はこんな顔をしていたように思うなどと、私は反身になった。鏡の中の乃公の姿も、得意そうに、反身になったことである。 鏡の前....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
同じ思いか、面影も映しそうに、美しい女は凝と視た。ひとり紳士は気の無い顔して、反身ながらぐったりと凭掛った、杖の柄を手袋の尖で突いたものなり。 饂飩屋は、行....
南地心中」より 著者:泉鏡花
得ない。 すると、旦那です……(馬鹿め、止めちまえ、)と言いながら、片手づきの反身の肩を、御寮人さ、そのお珊の方の胸の処へ突つけて、ぐたりとなった。……右の片....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
「日本大勝利、万歳。」 と謂いたるのみ、顔の筋をも動かさで、(ちょいとこさ)は反身になり、澄し返りて控えたり。 渠がかくのごとくなす時は、二厘三厘思い思いに....
露肆」より 著者:泉鏡花
しい。 気取ったのは、一軒、古道具の主人、山高帽。売っても可いそうな肱掛椅子に反身の頬杖。がらくた壇上に張交ぜの二枚屏風、ずんどの銅の花瓶に、からびたコスモス....
染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
、黒の紋付、着流し姿、黒頭巾で顔を包んでいる。お誂え通りの辻切仕立、懐中手をして反身になり、人なんかァ殺しゃァしませんよ……といったように悠然と下駄の歯音を、カ....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
る。「イギリスがもし注意を欠くなら」という前提で。だが、それから永くなるとぐっと反身になって、 「むろん、わしよりもそちらがこの問題についてはセンシブルな意見を....
三枚続」より 著者:泉鏡花
あねえか。やい、」と才子が踵をかさねた腰に近き、その脚で畳を蹴たが、頤を突出した反身の顔を、鴨川と後室の方へ捻向けて、 「汝等一体節穴を盗んで来て鼻の両方へ御丁....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
がごとくにして、銅像に一拝すると、 「えへん。」 と咳き、がっしりした、脊低の反身で、仰いで、指を輪にして目に当てたと見えたのは、柄つきの片目金、拡大鏡を当が....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
想像したほど忌味がなかった。キチンと四角に坐ったまま少しも膝をくずさないで、少し反身に煙草を燻かしながらニヤリニヤリして、余り口数を利かずにジロジロ部屋の周囲を....