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収まる
「収まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
収まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
まらぬ手真似の早業《はやわざ》を演ずる。そういう時仲間のものは黙ってそれが自然に
収まるのを待っているよりほかはない。彼は貧乏ゆすりをしながら園から受取った星野の....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
乾すに乾されぬ事のない次第も分り、死なずとも済む事が腑に落ちて、大した愁きもなく
収まる所であったのに、エエ、残念とも心外とも今更譬うる言葉もない、思えば実に不運....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
の前に供したれば、二人は無言の儘忙わしく喫べ初めしも、喫て先ず脾だるさの鉾先だけ
収まるや徐々と話に掛り、目科は今宵の一条を洩さず細君に語り聞かす流石探偵の妻だけ....
「運命」より 著者:幸田露伴
る。 江漢 情無し 水おのづから流る。 長楽 宮中 雲気散じ、 朝元 閣上 雨声
収まる。 新蒲 細柳 年々緑に、 野老 声を呑んで 哭して未だ休まず。 又|嘗....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
陛下に対しても不敬に当たるだろう――そう言ったそうだ。」 「さあ、この処置はどう
収まるものですかサ。すくなくも六、七万両ぐらいの償金は取られるだろうなんて、そん....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
て当時の事を憶出してみれば、初め朧のが末明亮となって、いや如何しても敗北でないと
収まる。何故と云えば、俺は、ソレ倒れたのだ。尤もこれは瞭とせぬ。何でも皆が駈出す....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
と力が逆上して浮きたつ、だから弱くなる、腹をしっかりとおちつけると気が臍下丹田に
収まるから精神爽快、力が全身的になる、中心が腹にできる、いいかおまえはへそをなん....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ないかと考えられるのでございます。 が、その中、あの最初の精神の暴風雨が次第に
収まるにつれて、私の傷けられた頭脳にも少しづつ人心地が出てまいりました。うとうと....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
うなものの、風が収まりゃ事だぜ――と云ったものです。 ところが、あの翌朝、風が
収まると姿が見えなくなったのですから、どうもその暗合にわっしたちは不思議な魔力が....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
で、もっと落ち著いていればよかったろうと思われたに違いない。暴風も一過すれば必ず
収まるものである。かれはそれを知らぬでもなかったが、そういう心構をするだけの多少....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
介でござる。刀を納め下されい」 しばらくの間寂然としていた。 やがて刀の鞘に
収まる、鍔鳴りの音が二つ聞こえた。 この頃源女は大薮を出て、唐黍畑の向こうを歩....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
菊は気が気でなかった。 彼女はふところ紙を出して、襟の汗を拭いた。汗がようよう
収まると、入れ代って両の瞼がうるんで来た。彼女は自分の未来の果敢ない姿を、もう眼....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ゲリラの中に拙者の一人存在する限り、必ず喧嘩がはじまるかも知れないが、必ずまるく
収まるのもフシギなもので、頃合いをはかって、二羽のシャモの喚き立つうちに、宴はめ....
「妖婦」より 著者:織田作之助
違いあるまい。それならばいっそ新太郎の云うように水商売に入れた方がかえって素行も
収まるだろう。もともと水商売をするように生れついた女かも知れない、――そう考える....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、虹が随所に浮かぶのである。) 二十日、晴れ。逆風いまだやまざるも、激浪少しく
収まる。午後二時より峡間に入り、右方にパタゴニア州の平原の横たわるを望み、左岸に....