収拾[語句情報] » 収拾

「収拾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

収拾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おしゃれ童子」より 著者:太宰治
ミヤの白手袋を、再び用いました。唐桟、角帯、紺の腹掛、白線の制帽、白手袋、もはや収拾つかないごたごたの満艦飾《まんかんしょく》です。そんな不思議な時代が、人間一....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
。余りに不用意にこうした経験に出合したため、たださえ興奮しやすい忠直卿の感情は、収拾のつかぬほど混乱した。 忠直卿のそばに、さっきから置物のようにじっとして蹲....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
|怖るるに足らずとの自信を持ち得るものと確信する。徒らなる狼狽は、国難をして遂に収拾すべからざる状態に導くものである。皇国の興廃は諸君の双肩に懸れり、それ奮闘努....
闖入者」より 著者:大阪圭吉
津田白亭は、自分の証言が意外な波紋を惹き起したのにすっかり狼狽してしまい、事態の収拾を大月弁護士に投げ出してしまった。 そこで大月は色々と策戦を練った上、容疑....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
たか知らないが、六波羅滅亡後、一時京都が混乱に陥った時、早速奉行所を置いて時局を収拾した芸当など、実に鮮かなものである。一見極めて矛盾した様な性格らしく、それだ....
光の中に」より 著者:金史良
ぐったりとして倒れそうであった。婆やが一先ず山田を連れ出したので、やっとその場が収拾のついたようなものである。李君は激しく罵るように皆の前で云った。 「あいつの....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
こまった。彼等は、いろ/\なことを考えた。 支那、支那、何事か行われているが、収拾しきれない支那! ここの生活はのんきなようで、一番苦るしい。つらい! 人....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
戸口から逃げはじめた。 葉之助の策略は成功した。 混乱に次いで混乱が起こり、収拾することが出来なかった。 「静まれ静まれ敵は一人だ!」 心掛けある信徒でも....
赤旗事件の回顧」より 著者:堺利彦
事件の時、幸徳君は郷里(土佐中村)に帰っていた。彼はほどなく上京してあとの運動を収拾しようとした。しかし形勢は大いに変化していた。同年七月、西園寺(さいおんじ)....
三十歳」より 著者:坂口安吾
女の夢に育てられた私と、現実の私との距りの発見に、私以上に虚をつかれ、度を失い、収拾すべからざるものがあったのではないかと私は思う。矢田津世子が何事を通してその....
剣侠」より 著者:国枝史郎
瞬掛け違ってしまったのであった。 さて門口に立って見れば、宿の混乱言語に絶し、収拾すべくもなく思われた。 群集が渦を巻いて街道を流れ、その間を馬の群が駈け巡....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
って、なにをたよりとしていいかわからなくなる。その結果は連盟はバラバラになって、収拾できない混乱におちいってしまう、それはおそろしいことだ。ね、つらいだろうがこ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
縦ひ妖魔をして障碍を成さしむるも 古仏因縁を証する無かるべけん 明珠八顆|都て収拾す 想ふ汝が心光地に凭て円きを 里見義成 依然形勝関東を控ふ 剣豪....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
かい、一月の終りには常の健康体に復したのだった。同時に、女王はアイルランド事件の収拾に新工作を加え始めた。これよりさきチロオヌは、九月の休戦に自ら終止符を打って....
俗臭」より 著者:織田作之助
しかったのか、家を飛び出して、憂鬱な散歩を始めていた。 残された人々はこの場を収拾しなければならぬ。さしずめ年長者の市治郎に先ず発言権が与えられた。が、彼は恐....