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「収攬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

収攬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
という名の下に考量されたものとどれだけ違っているだろうか。 魚住氏はこの一見|収攬《しゅうらん》しがたき混乱の状態に対して、きわめて都合のよい解釈を与えている....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
くことであろうから、この際|友誼を結んで百事を聞き知ろうとするには、まずその心を収攬するがいい。貨幣の類などは惜しまず握らせ、この国のものを欺し、この国のものを....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
弱で、一兵を動かす権力をすら持っていなかった。故にもし一人の野心家があって民心を収攬し得たならば、政府を顛覆するは、一挙手の労に過ぎないのである。紀元前五〇九年....
古き小画」より 著者:宮本百合子
気沮喪に陥ることは彼の目に見えた。 王は、騒ぎ立ち統一を失った者共の心をぐっと収攬するだけの精神の力を欠いている。結果はイラン全土の無統帥とツランの侵略になり....
平和運動と文学者」より 著者:宮本百合子
ヤング案に反対する、農村では地主が納税に反対するというような、きわめてうまい人心収攬のきっかけ、目先の利益にくらまされる人々の気分をヒットラーが掴んでナチスはあ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に処理し、内外の英物を適材適処に押据《おしす》え、雲の如き群雄をことごとく一手に収攬《しゅうらん》した政治的大手腕というものは、驚くに足《た》るべきもので――も....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
地に等しという広大無辺なものになるものだが、英雄豪傑の徳というものは、一種の人心収攬術《じんしんしゅうらんじゅつ》に過ぎんのだからな。西郷のその徳というのも要す....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ってみたり、踊りの時などは、先へ立って世話を焼いたりするものですから、つい人心を収攬《しゅうらん》してしまって、この色気たっぷりの後家さんが、この夏中の温泉の座....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なかなかの傑物であったに相違ない、赤手空拳でもって、関八州を横領し、うまく人心を収攬《しゅうらん》したのはなかなかの手腕家だ。当時、関八州は管領の所領であって、....
女性の不平とよろこび」より 著者:岡本かの子
屈より審美的立場から云うのです。で、如何に、挙措を解放するにしても、常に或程度の収攬を、おのずから自分の上に忘れてはいけません。 美的な放恣、つつましやかな自....
風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
雑文を書いていたが、私にボクシング小説の飜訳をさせて「新青年」へのせた。「人心|収攬術」というので、これは私の訳したものなのである。原稿料は一枚三円でお前に半分....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
用いた方法を学んだのである。家康は流石に徳川三百年の社稷を築いた傑物だけに、人心収攬の妙を体得した人物であった。家康が部下の失策を責める場合にはまず最初にその者....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いて居る者もある。ですから今英国政府の執って居る方針は、随分チベット国民の人心を収攬するに足るだけの効力はあるけれども、しかし政府に対しては全く無効です。 政....
望郷」より 著者:服部之総
上書している中で、同時に窮困不平の士族を政府に馴致し、豪農巨商等の有力者を政府に収攬《しゅうらん》せよとつけ加えることを忘れていない。明治五年一千町歩、明治十八....
三国志」より 著者:吉川英治
……」と述懐して涙を流した。 勝者の手向けた一|掬の涙は、またよく敵国の人心を収攬した。人民にはその年の年貢をゆるし、旧藩の文官や賢才は余さずこれを自己の陣営....