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叔母
「叔母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
叔母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
は知っている彼の友だちを羨望《せんぼう》した。現に小学へはいった頃、年の若い彼の
叔母は年始か何かに来ているうちに乳の張ったのを苦にし出した。乳は真鍮《しんちゅう....
「河童」より 著者:芥川竜之介
おす》の河童をつかまえるという意味にでもとったのでしょう。そこへおふくろと仲悪い
叔母《おば》も喧嘩《けんか》の仲間入りをしたのですから、いよいよ大騒動になってし....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
どこかへ行くの?」
「ちょいと銀行へ行って来る。――ああ、下に浅川《あさかわ》の
叔母《おば》さんが来ているぜ。」
賢造の姿が隠れると、洋一には外の雨の音が、急....
「竜」より 著者:芥川竜之介
日の中に迫って参りますと、驚いた事には摂津《せっつ》の国|桜井《さくらい》にいる
叔母の尼が、是非その竜の昇天を見物したいと申すので、遠い路をはるばると上って参っ....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
僕は納棺《のうかん》を終った後にも時々泣かずにはいられなかった。すると「王子の
叔母さん」と云う或遠縁のお婆さんが一人「ほんとうに御感心でございますね」と言った....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、それが新蔵とは一年越互に思い合っていたのですが、どうした訣《わけ》か去年の暮に
叔母の病気を見舞いに行ったぎり、音沙汰もなくなってしまったのです。驚いたは新蔵ば....
「百合」より 著者:芥川竜之介
何か迂散《うさん》そうに、じろじろ二人を見比べていた。
「相撲《すもう》だよう。
叔母《おば》さん。」
金三はわざと元気そうに云った。が、良平は震《ふる》えなが....
「或る女」より 著者:有島武郎
をかかえて、手燭《てしょく》を吹き消しながら部屋《へや》を出ようとすると、廊下に
叔母《おば》が突っ立っていた。
「もう起きたんですね……片づいたかい」
と挨拶....
「或る女」より 著者:有島武郎
うでしたの。義一さん……聞こえますか。明後日《あさって》私東京に帰りますわ。もう
叔母《おば》の所には行けませんからね、あすこには行きたくありませんから……あのね....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
の平和な寝息だけが幽《かす》かにこの部屋に聞こえて来る。私の眼の前にはお前たちの
叔母が母上にとて贈られた薔薇《ばら》の花が写真の前に置かれている。それにつけて思....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
になるつもりだった。が、小学校へはいったころからいつか画家志願に変っていた。僕の
叔母は狩野勝玉という芳崖の乙弟子に縁づいていた。僕の叔父もまた裁判官だった雨谷に....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ながら清らかに、草履ばきの埃も立たず、急いで迎えた少年に、ばッたりと藪の前。 「
叔母さん、」 と声をかけて、と見るとこれが音に聞えた、燃るような朱の唇、ものい....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
によりて人間どもの勝手な仮構事じゃ。乙姫様は決して魚族の親戚でもなければ又人魚の
叔母様でもない……。が、もともと竜宮は理想の別世界なのであるから、造ろうと思えば....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の大へんなことが起ったんです。ですから、……大へんなことが起ったもんですから。今
叔母さんにも電話をかけたんです」 「大へんなこと?」 「ええ、ですからすぐに来て....
「寡婦」より 著者:秋田滋
なる男の子と、私の母の妹である女を寡婦として残して逝かれました。良人に先立たれた
叔母は、その子供を連れて、ペルティヨンの領地にあった私の父の家へ来て暮しておりま....