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叔父さん
「叔父さん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
叔父さんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
で、私は私の一存で、あの沙門を姫君の御目にかかれないようにしようと思うのですが、
叔父さんの御考えはどういうものでしょう。」
「それはわしも、あの怪しげな天狗法師....
「彼」より 著者:芥川竜之介
つ、いつも円《まる》い影を落していた。……
二
彼は本郷の
叔父さんの家から僕と同じ本所《ほんじょ》の第三中学校へ通《かよ》っていた。彼が叔....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
」――莫迦莫迦《ばかばか》しいが、そう云った。主人役がもう年配でね。僕は始から、
叔父さんにつれられて、お茶屋へ上ったと云う格だったんだ。
すると、その臂と云う....
「或る女」より 著者:有島武郎
人がわいわいとおもしろがってたかっているのも全くもっともですわ。そのうちに、あ、
叔父さん、箸《はし》をおつけになるように皆様におっしゃってくださいまし」
叔父....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
らいあった。その内、君が、自分で断ったのは一ツもあるまい。皆母さんがこう云った。
叔父さんが、ああだ、父さんが、それだ、と難癖を附けちゃ破談だ。 君の一家は、お....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
慢して、村長閣下の前につけても御奉公申上げい。さあ、立とう、立ちましょう。 百合
叔父さん、何にも申しません、どうぞ、あの、晃さん、旦那様のお帰りまでお待ちなすっ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
禁句さ。……与一兵衛じゃあるめえし、汝、定九郎のように呼ぶなえ、と唇を捻曲げて、
叔父さんとも言わせねえ、兄さんと呼べ、との御意だね。 この
叔父さんのお供だろう....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
だ、気分でも悪い?」 「え、少し疲れたからでしょう」 「そう、前のはまき子さんと
叔父さんだろう」 「ええ」 階段を降りて入口を出ようとする所で叔父と田島は挨拶....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
のことをいうようだけれど、母様は少し了簡違いをして、父親が病気のあいだに、私には
叔父さんだ、弟ごと関着いたの。 するとお祖父さんのお計らいで、私が乳放れをする....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
「どうして? まあ。」 小親は身を屈めてわが耳を覗いて聞く。 「皆で、余所の
叔父さんと、兄さんと、染ちゃんと、皆でね、お酒を飲んでそうして遊んでいるの、賑か....
「故郷」より 著者:井上紅梅
船窓に凭って外のぼんやりした景色を眺めていると、たちまち宏兒が質問を発した。 「
叔父さん、わたしどもはいつここへ帰って来るんでしょうね」 「帰る? ハハハ。お前....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
ついた。 「なるほど、そういう不思議が無いとはいえませんね。おい、一郎。おまえの
叔父さんのようなこともあるからね。お前、あの話を曲亭先生のお耳に入れたことがある....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
る。 今迄|喘ぐように苦しげに呼吸していた晴次はこの時ようよう口を開いて、 「
叔父さん。(月野博士の事を二人ながら
叔父さんと呼んでいるのだ。)今迄何でもなかっ....
「蟹満寺縁起」より 著者:岡本綺堂
き蟹いず。蟹は武装して、鋏のごとき刃をつけたる長刀を携えたり。) 蛙 やあ、蟹の
叔父さんだね。 蟹 人間の子供もそうぞうしいが、おまえも随分そうぞうしいな。あけ....
「素晴しい記念品」より 著者:大倉燁子
、平和な家庭のように見えていた。恰度十年ほど前のある大雨の晩、池谷さんは永川下の
叔父さんの家に金を借りに行く、と云って出たぎり帰らない。先方へ問い合せると来ない....