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取
「取〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
《げいごと》といわず、何でも好きな事を仕込ませていた。小えんは踊《おど》りも名を
取っている。長唄《ながうた》も柳橋《やなぎばし》では指折りだそうだ。そのほか発句....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
も黙っている訳には行かなかった。そこで彼は甚太夫を呼んで、「ああ云う見苦しい負を
取られては、拙者の眼がね違いばかりではすまされぬ。改めて三本勝負を致されるか、そ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
そのほかは――いや、そう云えば、面白い話がございました。我々が吉良《きら》殿を討
取って以来、江戸中に何かと仇討《あだうち》じみた事が流行《はや》るそうでございま....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
かけたようです。」
「では漢口《ハンカオ》へ電報を打ってヘンリイ・バレットの脚を
取り寄せよう。」
「いや、それは駄目でしょう。漢口から脚の来るうちには忍野君の胴....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
に笑い笑い、話の相槌《あいづち》を打っていた。その内に我々はいつのまにか、河岸の
取《とっ》つきへ来てしまった。このまま河岸を出抜けるのはみんな妙に物足りなかった....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
もなく、三百|弗の小切手を一枚、婆さんの前へ投げてやりました。 「差当りこれだけ
取って置くさ。もしお婆さんの占いが当れば、その時は別に御礼をするから、――」 ....
「墓」より 著者:秋田滋
愛していたのであります。 わたくしがこれから申し述べますことを、しばらくお聴き
取りのほどを願います。 わたくしは、初対面のおりに、彼女を見ますと、一種異様な....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
一通の手紙が残った。それは私の書いたもので、私が五十年前に習字の先生の言葉を書き
取ったものだ。 その手紙にはこうあった、 ボクノ 大スキナ オ母アサマ キョウ....
「初雪」より 著者:秋田滋
気はしたが、それでも仕事に紛れて、日が一日一日とたって行った。彼女は生活上の別に
取り立てて云うほどのこともないような細々としたことにもそれぞれその価値があって、....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ずしてその日の暮がたある宿に着きたり。宿に着きても油断せず、合客の様子、家居の間
取等に心づけ、下婢が「風呂に召されよ」と言いしも「風邪の心地なれば」とて辞し、夜....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
附され、今日も保存されてある。 ファラデーはタタムの講義をきくにつれて、筆記を
取り、後で立派に清書して、節を切り、実験や器械の図をも入れ、索引を附して四冊とし....
「寡婦」より 著者:秋田滋
げた、庭のあの場所まで来て、うえを見て下さい。 私は気でも狂うかと思いました。
取るものも
取り敢えず、あわてて着物を著ると、私は云われた場所まで駈けて行ったので....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
に生れつき住んでいる人だけでなく、しばらくそこに住む人も知らず知らずのうちにみな
取りつかれるのである。ひとびとが、この眠たげな地域に入る前にいかにはっきり目をさ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
うするうちに、持っていた路銀も費い果してしまった。そこで夫婦は農家や旅籠屋で日雇
取りをして、一番賤しい仕事をあてがわれ、他人の残りものを食べて露命をつなぎ、夜は....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
で、秋になると、山が一面に紅葉になるので、城下の人たちが紅葉を見に来るほか、何の
取柄もないような村でありました。しかし百姓たちの村に入るところに大きな河が流れて....