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取って付けたよう
「取って付けたよう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取って付けたようの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鉄鎚」より 著者:夢野久作
った。それはシナリオや小説を飽きる程読んでいる私の耳には、頗《すこぶ》るまずい、
取って付けたような話としか響かなかったので、強いて想像を逞しくすれば……その美し....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
「何ですか。お神さん。又事件ですかい」 女将は返事をする準備として、とりあえず
取って付けたように魘えた顔をした。この辺には珍らしく眉を剃って鉄漿をつけているか....
「食魔」より 著者:岡本かの子
が無いことを嘆いた。彼はせめて言葉附だけでもいかたものにしようと骨を折った。彼の
取って付けたような豹変の態度に、弱いものは怯えて敬遠し出した。強いものは反撥して....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
ッハッハッハッハッハッ……」 とストーン氏は女の言葉を半分聞かぬうちに、突然、
取って付けたように高らかに笑い出した。しかもそれは今の女の言葉に依って、何事か或....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
。よしよしこれからは快活にやろう。いつも明るく笑ってな」そこでもう一度笑ったが、
取って付けたような笑い方であった。「さあさあ吉次、働け働け、行ってみんなを指図す....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
」と専斎はちょっとあわて、「実に全くこの世の中には不思議なことがござりますなア」
取って付けたようにこう云ったが、 「藪殿、実はな、この私にも不思議なことがあった....
「助五郎余罪」より 著者:牧逸馬
な羽二重が――和泉屋さんから届きやしたのう」 おろくは格子戸の方へ眼をやって、
取って付けたように叫んだ。 「あれ、また俥屋《くるまや》の黒猫《くろ》が! しい....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
。 文次はほっと息をもらした。気負いかかっていただけにいっそうきょとんとして、
取って付けたようなおじぎをすると、侍はもうこっちの部屋へ踏み込んで来て、二人の鼻....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
まま睨み付けている義兄の手前何とも型《かたち》がつかなくなると、てれかくしにまた
取って付けたような声音《こわね》で、 「観自……観自……観自在菩薩」 「い、いい....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
密集した屋根が近々と望まれた。日本建ての屋根瓦のごちゃごちゃした上に西洋風の塔が
取って付けたように抽き立っていた。すべてが埃に塗れて汚らしく、肉慾で人を繋ぐグロ....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
、「このざまじゃア、どうもこうもあったものじゃない。むかしはむかし今は今だ。」と
取って付けたように笑いながらも、絶えずそれとなく四辺《あたり》に気を配っているら....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
武蔵は、脱いだ草鞋をはきかけた。思わぬ暇つぶしでもしたように、その様子が遽に
取って付けたように見えた。
「……ホ、お立ちか」
妙秀は意外そうにいった。光悦....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は、何遍もこっくりして、 「分りました」 と、早速に言葉もていねいになったり、
取って付けたようなお辞儀もしてから、 「先生、また落すといけませんから、これを、....