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「取っ付き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

取っ付きの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あやかしの鼓」より 著者:夢野久作
本風のお庭に向かって一面に硝子障子《ガラスしょうじ》がはまった廊下へ出て、左側の取っ付きの西洋間の白い扉《ドア》を開くと妻木君は先に立って這入った。私も続いて這....
山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
た電車の蔭に隠れるようにして西門通りの横町に走り込んだ。 走り込んだと思うと、取っ付きの薬屋に這入って仁丹を一袋買った。それから暑そうに汗を拭き拭き鳥打帽と釣....
冗談に殺す」より 著者:夢野久作
階上と階下に響いた。 ……もう大丈夫だ。何一つ手ぬかりは無い。あとは階段の上の取っ付きの自分の室に這入って、いつもの通りにバットを一本吹かしてから蒲団を引っか....
犬神娘」より 著者:国枝史郎
ご祈祷ばかりしていたんでは食えないのさ……。犬の字通り隠密にだってなるのさ。……取っ付きとさえ云われている犬神、こいつが隠密になったひにゃア、どんな獲物だって逃....
三甚内」より 著者:国枝史郎
布を握り、いつもの癖の一人遊び、ブラリと吉原へやって来た。大門をはいれば中之町、取っ付きの左側が山田宗順の楼、それと向かい合った高楼はこの遊廓の支配役庄司甚右衛....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
懸かりもないのですからせめて、土人の伝説か俚謡でも、手懸かりの一つにしなかったら取っ付き場所がありません……」 マハラヤナ博士は驚いたようにレザールの顔を眺め....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
手は雷門を渦の中へ巻き込んでとうとう落城させてしまいました。それで雷門から蔵前の取っ付きまで綺麗に焼き払ってしまった上、さらに花川戸から馬道に延焼し、芝居町まで....
法学とは何か」より 著者:末弘厳太郎
。どうも自分が予期したものとは大分違った学問を教えられているような気がして、甚だ取っ付きが悪い。仕方がないから先生の講義することをそのままノートすることはしたも....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
ちの後からついていった部屋は廊下を鉤の手に回った奥の西洋間らしい階段の下の、スグ取っ付きの部屋でした。明け放した廊下からは、例の眼も絢な芝生が、一望遮るものもな....