»
取り手
「取り手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取り手の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
にして、狐狸《こり》が棲《す》む。盗人《ぬすびと》が棲む。とうとうしまいには、引
取り手のない死人を、この門へ持って来て、棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
に覚束なくなる。そのとき殆ど昏睡状態の人の手が反射神経で畳の上の錐をふらふら拾い
取り手当り次第に、膝を組んでいる脚の部分に突き立てる。白金色の痛みは身体中に拡大....
「つばめと乞食の子」より 著者:小川未明
きれいな花が咲いていて、うまい果物が手のとどくところにいくらもなっていて、だれも
取り手がない。おまえさんはいって、その国の王さまとなる気はないか。」 といった。....
「窮死」より 著者:国木田独歩
と客の土方の一人が言う。 「それじゃア行き倒れだ!」と一人が言う。 「たれか引き
取り手がないものかナ。ぜんたい野郎はどこの者だ。」と一人が言う。 「自分でも知る....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
お前は一生の間よく私に仕えてくれた……私の枕もとの数珠を取ってくれ。(数珠を受け
取り手に持ちて)この桐の念珠はわしの形見にお前にあげる。これはわしが法然様からい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
がわかりませんな」 「いやそうではない、あの茶袋もあれで柔術にかけてはなかなかの
取り手だが、何しろ道庵先生に会ってはその敵でないと、つまり自分に心得があるだけに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ういう重い罪人でございますから、磔刑《はりつけ》にかけられましたが、その死骸を引
取り手もございませんし、まして、葬ってやろうなんぞという人は一人もございませんの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のだ、毛唐が黒船に載せて大切につれて来たのを、今度、国へ帰るので、もてあまし、引
取り手を探した揚句が、ここの女王様のお気に入り、早速引取ることになったのだが、こ....