取り敢えず[語句情報] » 取り敢えず

「取り敢えず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

取り敢えずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
、唇は紫色になっていました。けれどもお使いの者が「瞬」に乗って帰って、取るものも取り敢えず紅矢の両親を連れて来ました時には、紅矢は青眼先生の上手な介抱と、良い薬....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ら運び去られた。 余の怪我と聞いて、頓て叔父を初め大勢の人も馳け附けた、叔父は取り敢えず余を一番近い寝間へ寝かせようと云ったけれど、余は矢張り塔の四階に在る余....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
す。 もう一刻も猶予がなりません、描きかけの絵はぬれたまま巻きこんでしまって、取り敢えず宿屋から逃げ出します。逃げ出してからでもまだ今支払った茶代は少しケチで....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
す。 もう一刻も猶予がなりません、描きかけの絵はぬれたまま巻きこんでしまって、取り敢えず宿屋から逃げ出します。逃げ出してからでもまだ今支払った茶代は少しケチで....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
拾い出して御話しをいたし、そろそろこの拙き通信を切り上げさせて戴こうと存じます。取り敢えず祭神となってからの生活の変化と言ったような点を簡単に申上げて置こうかと....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
同無事に上陸したと入電した時の嬉しさは言葉で説明なんか出来ません。それで取る物も取り敢えず駈けつけて来たのでございますよ……」 ――この一行の探検隊の先乗りと....
寡婦」より 著者:秋田滋
あの場所まで来て、うえを見て下さい。 私は気でも狂うかと思いました。取るものも取り敢えず、あわてて着物を著ると、私は云われた場所まで駈けて行ったのです。私は駈....
外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
いた人々を呼びに行った。夫人を先頭に主治医と看護婦とがあたふたかけつけ、主治医は取り敢えずカンフル注射を、三回総監の腕に行った。 総監は眼を開いたが、あたりの....
真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
た事は信じられませんでした」と商会主は口を添えた。 佐瀬は早速商会主を呼んで、取り敢えず守衛の所へ行った。貴重品ばかりの所であるから、夜は特別に二人居て交代で....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
見ると、それは氷嚢と氷を買って来てくれというのであった。そこで極堂君は取るものも取り敢えず氷嚢と氷を買って来たのであったが、その留守中に大原の叔母君と医者とが来....
好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
雄は、ぐさと、短刀で胸をさされる思いをした。 「私は富倉町が何処だか知りません」取り敢えずこう答えて、丑村刑事はどうしてそのことを知ったであろうかと考えると、康....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
懼に堪えぬ。 寄附の地所の境界は、お前勝手に極めてくれい。 大司祭 先ず取り敢えず、あの罪悪の場所であった、 咀われた土地を、なるべく早く、尊い祭の場所....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
は、このまま、黙って、知らぬ顔をしていようか――。 彼女は指輪を半紙に包んで、取り敢えず人目に触れない箪笥の抽斗の奥に入れて、錠を下し、熱した頭を冷す積りでヴ....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
って、来賓に化けてまざれ込み、突然文夫さんの前に現われたんだそうです。文夫さんは取り敢えず叔父様を自分の書斎に連れて行きました。ごたごたしていたので文夫さんの姿....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
べったりしながら、漸ッとの思いでアパートの階段に辿り着き、自分の部屋まで運んで、取り敢えず壁際のベッドの上に横え、始めて電気の下で少女の顔を見た。 何という可....