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取り縋る
「取り縋る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取り縋るの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「復讐」より 著者:夢野久作
けたのが一すじ、グルグルと巻き付けてあるきりであったが、そのふくらんだ自分の胸に
取り縋るように、両方の掌をシッカリと押し当てて、素足のまま寝床を降りると、スラス....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
りて、壁にかけたるいろいろの仮面を取り下し、あわや打ち砕かんとす。楓はおどろきて
取り縋る。) かえで ああ、これ、なんとなさる。おまえは物に狂われたか。 夜叉王....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
衣を来た、彼女のちんまりした形が、目に懐かしく沁みこんだ。 葉子は果して慈父に
取り縋るような、しおしおした目をして、しばらく庸三を見詰めていた。 「先生、若い....
「足迹」より 著者:徳田秋声
うの家とを往復した。 金毘羅で講元をしていた大きな無尽の掛け金を持って、お庄は
取り縋るこの子供を負いながら、夕方から出かけて行った。ここから金毘羅まではかなり....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
、襖がサラリと開いて走り出た一人の乙女。 「お姉様!」 と叫びながら柵の屍骸へ
取り縋る。 「誰だ!」 と宗介は眼を見張りその乙女を見詰めたが、何んに驚いたか....
「男ぎらい」より 著者:豊島与志雄
姐さんが私の方を見て、そしてすぐ向うへ寝返りうちました。 その背中の方へ、
取り縋るようにして、私ははいってゆきました。大きく息をしました。へんに眠れません....
「茶粥の記」より 著者:矢田津世子
常は口の重い姑だけに、良人が亡くなってからこの方の軽口は悲しかった。それは清子に
取り縋る感じで、まつわるように話しかける。 亡夫の初七日のとき郷里から出てきて....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
りましょうが、差しあたりましては御坊を頼みまするよりほかには……。」と、小坂部は
取り縋るように言った。 「よい、よい。兼好たしかに頼まれ申した。われらもなま若い....
「活人形」より 著者:泉鏡花
、ひしと人形に抱き附きて、「おっかさん! と血を絞る声。世に無き母に救を呼びて、
取り縋る手を得三がもぎ離して捻じ上ぐれば、お録は落散る腰帯を手繰ってお藤を縛り附....