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取り纏め
「取り纏め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取り纏めの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
の醜い心と身体、それは自分ながら吐き捨ててしまい度いようである。けれども、やっと
取り纏めて、離れて眺めみれば、芙蓉のように美しく、「誰《た》」を魅する力があるも....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
等の荷物や、家族のいる住所をしらべたり、それぞれ万一の時に直ぐ処置が出来るように
取り纏めた。――気持のいいことではなかった。それをしていると、漁夫達は、まるで自....
「足迹」より 著者:徳田秋声
。」 女は骨盤の押し開いたような腰つきをして、片隅に散らかったものを忙しそうに
取り纏めていた。 お庄は気爽に返事をして、急いで傍へ寄って行った。 その晩か....
「爛」より 著者:徳田秋声
今との間には時々の紛紜が絶えなかった。お今はどうかすると、小蔭で自分の荷物などを
取り纏めて、腹立ちまぎれにそっと家を出て行こうとしたり、死ぬ決心でもするかと、お....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
の色気と喰気から救われるのであります。 この三つの傾向を自覚というものに依って
取り纏めて行くところに人間の性格の向上進展があるので、この三種類の鼻の表現を取り....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
は、妖しい霧の渦に巻かれているような思いがしたが、なお二つ三つ、残っている疑義を
取り纏めねばならなかった。 「それでは、舞台の上にいた孔雀が、どうして奈落の幡江....
「書記官」より 著者:川上眉山
中で遮ぎって、一時も早く私の方のを官へ差し出すが上分別、とにもかくにもこの首尾を
取り纏める方に、早速ながら御尽力を願って、事落着の上で御報酬の方は極めることに致....
「凍雲」より 著者:矢田津世子
込みがばれて、会社との間にいざこざがあったけれども、その都度、町長が仲に入って、
取り纏めてきたという噂も立っていた。 つまった煙管を真っ赤になって吹き通してい....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
谷君の発表に際して自分は、いずれそのうち間人とハチヤとを関連して、その後の研究を
取り纏め、同誌上に発表してみたいとの事を予告しておいたのであったが、たまたま同年....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
かしたクウ・デタの一言が、胸のなかに宙ぶらりんに揺れているまま、彼は家族の全員を
取り纏め、彼らと大多数の士官と紳士を引きつれながら、九月二十四日ダブリンを出帆し....