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取り除け
「取り除け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取り除けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
顔を何の様に美しくするとも将た醜くするとも、此の何とのう高貴に感ぜられる所だけは
取り除ける事も出来ず、附け添える事も出来ぬ、本統に心の底の清い泉から自然に湧いて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たままで元の川へ飛び込んだから、小判の重みで其の紐が強く吊れるので、かれはそれを
取り除けようとして頻りに前脚を働かせるうちに、紐は意地わるくこぐらかって絡み付い....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
る竹は経筒ぐらいの太さで、一方の口には唐銅の蓋が厳重にはめ込んであった。その蓋を
取り除けて、筒の中にあるものを探り出すと、それは紙質も判らないような古い紙に油絵....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
判るものじゃないから……」と云って、「一四一四年|聖ガル寺発掘記」の他二冊を脇に
取り除け、綸子と尚武革を斜めに貼り混ぜた美々しい装幀の一冊を突き出すと、
「紋章....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
。そしてスズ竹の尾根へ登って北へ縦走し午前九時半頂上へ着きました。そこらの落葉を
取り除けてついに三角点を探し出しました。オオこれが海抜一二一六メートル四の俚称赤....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
生はそれを受取って、まだしまいまで読み切らないうちに、かれはたちまちその被り物を
取り除けると、そのひたいには大きい二本の角があらわれた。先生はおどろき叫んで仆れ....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
りたがる愚昧な感動を忍ばせてゐる。それはもう愚昧の外の言葉はない。このツギハギを
取り除けば大人は子供に附け加へた何の値打も持つてはをらず、分別の殻を負ふてゐるだ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
いた。止って一杯飲む時には、彼は、右手で酒をぐうっとやる間だけ、その襟巻を左手で
取り除け、それがすむや否や、すぐに再び巻きつけてしまうのだった。 「いいや、ジェ....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
わず監督のドスを拾いあげて、辺りを見廻しながら、技師と力を合せて屍体の上の炭塊を
取り除けた。屍体は首も胸もクシャクシャに引歪められて、二タ目と見る事も出来ないむ....
「肉腫」より 著者:小酒井不木
れから、患者の両脚を蔽った白布の上に、琺瑯鉄器製の盆をそっと載せ、ガーゼの覆いを
取り除けた。五本の指、掌、前膊、上膊、肩胛骨、その肩胛骨から発した肉腫が頭となっ....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
半丁余で水も得られる。かかる好都合の処はないとて、嘉与吉と二人で、その下の小石を
取り除けて左右に積み、風防けとし、居を平に均す、フ氏と嘉門次は、偃松の枝を採りて....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
でない。どこへ行ってもその通り。
だから私はある時チベット人に忠告してこの石を
取り除けてはどうかといいますとそんな事は昔から習慣がないからやらんという話。チベ....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
が辛苦経営むなしからで、感応寺生雲塔いよいよものの見事に出来上り、だんだん足場を
取り除けば次第次第に露わるる一階一階また一階、五重|巍然と聳えしさま、金剛力士が....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
牲的なことをしてくれる病いであるが故に、あらゆる文化的の手を尽して早くその苦悩を
取り除けてやろう。これは当然の人情であります。医者にもかからずわざと病気を重くす....
「数の子は音を食うもの」より 著者:北大路魯山人
に載せてパチパチプツプツと噛む、あの音の響きがよい。もし数の子からこの音の響きを
取り除けたら、到底あの美味はなかろう。 音が味を助けるとか、音響が味の重きをな....