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取乱す
「取乱す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取乱すの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「予が半生の懺悔」より 著者:二葉亭四迷
即ち孔子の如き仁者の「気象」にある。ああ云う聖人の様な心持で居たらば、死を怖れて
取乱す事もあるまい。人生の苦痛に対しても然り、聖人だって苦痛は有る、が、その間に....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
れもしかし、彼の記憶の中に根強くはびこっている或る種の嫌悪は、彼が足を踏み外して
取乱すことだけは食い止めたに違いないが。つまり彼は流行外れの男だったのである。ど....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
は既に一子がある。夫がいかに大悪人であっても、信仰の道に這入っている自分が今更に
取乱すのは恥かしい、夫を慰め励まして後顧の憂えのないようにしよう。こう彼女は決心....
「東京八景」より 著者:太宰治
てやった。あねご気取りが好きなようであった。私が警察に連れて行かれても、そんなに
取乱すような事は無かった。れいの思想を、任侠的なものと解して愉快がっていた日さえ....
「わが父」より 著者:宮本百合子
も云えぬ明るさ温さに照りはえている。その悲しみがそんなだから、その悲しさではどう
取乱すことも出来ず、またどう心を傷つけ歪めることも出来ない。そんな風に感じられる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
するだけで、それが、何の理由に出でるか、よくわからないのみですから、すべてに於て
取乱すというようなことはありません。 「ああ、忘れられた奴がまだ一つあるわい」 ....
「夢の図」より 著者:豊島与志雄
ら先は全然の空虚となります。而もその空虚な時間のあいだ、普通の行動をして、大して
取乱すこともない……らしいのです。「らしい」というのは、他人の云うところであって....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
雑誌社にも言い分はあることだし、発表された今となっては、もう仕方がない。女々しく
取乱すよりも、私として最も大切な一事は、従来の運命をくつがえして、すでに発表され....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
眼で、庄吉をつれて行け、と指図した。
「庄公、落ちついて――取乱しちゃ――」
「
取乱す?――べらぼうめ――放せったら、こいつ、放さねえか」
庄吉は、肩を烈しく....