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取付
「取付〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取付の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「捨児」より 著者:芥川竜之介
勇之助が蜜柑《みかん》を剥《む》いている。――その姿を一目見るが早いか、女は何の
取付《とっつ》きもなく、和尚の前へ手をついて、震える声を抑えながら、「私《わたし....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
前に見える。十町ばかり一目に見渡す青田のたんぼの中を、まっすぐに通った県道、その
取付きの一構え、わが生家の森の木間から変わりなき家倉の屋根が見えて心も落ちついた....
「振動魔」より 著者:海野十三
線をひっぱったり、いかめしい碍子を※じこんだりしたすえに、真黒で四角の変圧器まで
取付けていった。それがすむと、厚ぼったいフェルトや石綿や、コルクの板が搬び入れら....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
4 部屋を出ようとするときだった。 ブ、ブ、ブブー。 卓子の裏に
取付けたブザーが鳴った。 「ほい。XB4が呼んでいるッ」 弦吾は室内に引返した....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
れ。松戸へ出てから、すこし歩くことにするからなあ」 そういっているとき、天井に
取付けてある高声器が、がらがらと雑音を出してから、ひとりで喋りだした。 「警視庁....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
く。 「お分りになったでしょうな。このような優秀な代用心臓を供給し、それを見事に
取付ける手際からいって、その下手人は烏啼めの外にはないと断言ができます。これが第....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
いう文字なんだ。そこだ。そこに鍵があるんだ」 なんの鍵であろうか。 ちょっと
取付けない。――それならば、すこし方向をかえてみる。 百と二十五。とにかく百だ....
「火星探険」より 著者:海野十三
》にならない。車体のペンキ塗りは後まわしにして、二人はいやに重いヘッド・ライトの
取付にかかった。 「おい。おい、もう時刻が来たぞ。扉をあけてもいいか」 「まだま....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
さを増したのであった。人々の面色が、俄かに土色に変ったようであった。これは天井に
取付けてあった水銀灯が点灯したためであったが、多くの人は、急にはそれに気がつかな....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
「つまり、このジャンガラ星が自力で宇宙を旅行することができるように、あれをいま
取付け中なんですわい。そうでもしないことには、ジャンガラ星はいつまでも月の周囲を....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
そうですねえ、船室といってもいいでしょうね」 博士の声は、この部屋のどこかに
取付けてある拡声器から流れ出てくるようだ。目の前にある戸棚のどこかに仕掛があるら....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
が組立てられると、横に鉄材の腕が伸び、その先へだんだん新しい別のうきつきの鉄塔が
取付けられ、上には飛行甲板が張られる。こういう順序に、中央から始って両側へと、骨....
「橋」より 著者:池谷信三郎
ないわ。 ――君の家はそんなにお金持なの? ――ええ、そりゃお金持なのよ。銀行が
取付けになるたびに、お父さまの心臓はトラックに積まれた荷物のように飛び上るの。 ....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
、見掛けが野呂間だから上客の側へは出せない。店先の仕事をさせよう。店先の袢天著は
取付き易いが、わけのわからぬことをくどくど喋舌り、漆濃く絡みつく奴が少くない。彼....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
ったんだと、そんなにせずともの事を、私が訴人したんだから、怨みがあれば、こっちへ
取付くかも分らずさ。」 「はははは、旦那様の前だが、やっぱりお好きではねえでがす....