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「取入る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

取入るの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
《さつ》を二三枚ポケットから取出して、彼等の手に渡した。そして学校の事務員にまで取入ることを怠らなかった。 「品物を好くして、安く勉強すると云うなら、どこで拵え....
弟子」より 著者:中島敦
の言葉なら頷《うなず》かぬことはない。霊公に聴《き》かれようとする者はまず南子に取入るのが例であった。 孔子が魯から衛に入った時、召を受けて霊公には謁《えっ》....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
を杖《つ》いて一|着《ちゃく》を輸《ゆ》する事は、文三には死しても出来ぬ。課長に取入るも昇に上手を遣《つか》うも、その趣きは同じかろうが同じく有るまいが、そんな....
二重心臓」より 著者:夢野久作
しまっている事も、考えられない事じゃないでしょう。そこで生蕃小僧は上手に轟さんに取入るか、又は影武者の生蕃小僧に脅迫状を出させるか何かしてあの劇場を買わせたのよ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
相当に理窟は言えるようになったろうけれど、それよりもあいつの得手《えて》は上役に取入ることだ、老中《ろうじゅう》あたりに縁があって、胡麻《ごま》をすったその恩賞....
家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
に依っては誰か死ななくては目ざす人に近寄られないというような事さえある。人の心に取入るには、強盗に這入るような事をしなくてはならない。人の防禦しない折を狙ってい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
っちでも割のいい方へ売る分には文句はないはず、今、逆縁のようなわけで、薩摩の家に取入ることができて、刀剣と、鉄砲との、買入れ方をたのまれたから、薩摩の御用をつと....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の必要、官の要路者の意を得ておかなければならないものがあるので、なにも特別に悪く取入るという次第ではないが、商売上ぜひもないことで、旧友のお蘭さんと腐れ合ってい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を通しての最も有力なる橋渡しの一人でもあるし、これが持ち込む情報がまた、外国人に取入る好材料となったりすることもあるし、また或る意味に於ては、お絹を代表して、忠....