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取寄せる
「取寄せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取寄せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
。せっせと先生の所へ通信部を開く交渉に行く。開成社へ電話をかけてせっせとはがきを
取寄せる。誰でも皆せっせとやる。何をやるのでもせっせとやる。その代わり埓《らち》....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
、釘《くぎ》をすら買うべき小銭に事かいていたお島は、また近所の金物屋から、それを
取寄せる智慧《ちえ》を欠かなかった。
「これから普請の出来あがるまで、何かまたち....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の女房が来ていたので。昼飯の時に分ったのでは、客へ馳走は、残らず電話で料理屋から
取寄せる……もっとも、珍客というのであったかも知れぬ。 そんな事はどうでも可い....
「傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
部屋へ戻り、印形を較べてみると全く同である。禿《かむろ》を呼んで、その客の脇差を
取寄せると、間違いも無い拵《こしら》え、目貫《めぬき》の竹に虎、柄頭《つかがしら....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
の、のんびりさの旅館であるから、北国一の電話で、呼寄せていいつけて、買いに遣って
取寄せる隙に、自分で買って来る方が手取早い。……膳の来るにも間があろう。そう思っ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ても、それから後がまた心配です――故郷までは長い道のり、たよりをすることも、金を
取寄せることも、この場合、間に合うはずがありません。 よし、忍んで、お救い米に....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
の他キスだの鎌倉海老などと魚が出るが、どうも近所に料理屋はない様子、何処から魚を
取寄せるか、自分料理で斯う早く出来る訳もないし、何うした事かと女の廻り気で種々と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、相当にお金も要ることとおもいましたから、今日飛脚を甲州へ立ててもらって、お金を
取寄せることにしました。とりあえず道中の路用のうちを、お角さんという人から受取っ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
書の中にドイツ文学の仏訳のものがある。その中のゲーテとシルレルとの二人の作を全部
取寄せるように、青年会館の前の三才社に注文してくれ。全部と言っても六、七冊くらい....
「郷土的味覚」より 著者:寺田寅彦
故人となった佐野静雄博士から伊豆伊東の別荘に試植するからと云って土佐の楊梅の苗を
取寄せることを依頼された。郷里の父に頼んで良種を選定し、数本の苗を東京へ送っても....
「怪異に嫌わる」より 著者:豊島与志雄
いと懇望した。坪井君は承知して、但し譲渡するわけにはゆかないと断り、郷里から刀を
取寄せることにした。 坪井君が青江の刀を私の宅へ届けたのは、折も折、盂蘭盆の十....
「画舫」より 著者:豊島与志雄
きましたが、老酒の銚子は熱くなりました。拳《けん》の勝負を争う者もあり、カルタを
取寄せる者もあり、女に戯れる者もあり、口をあけてうっとりしてる者もありました。 ....
「石油ランプ」より 著者:寺田寅彦
、それが私の要求に応じるものでなかったら困ると思って、そのままにしてある。どうせ
取寄せるなら、どこか、イギリス辺の片田舎からでも取寄せたら、そうしたらあるいは私....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
たと存じます」 小「成程其の道とは申しながら詳しく存じて居るのう、それに付今一度
取寄せる様にとの仰せゆえ至急取りに参ったが、是へ出してくりゃれ」 政「へえ」 ....
「マリ・デル」より 著者:神西清
が分るかい? 今じゃ食料品屋も腸詰屋も、腸詰の皮あわざわざ高い金を払って地方から
取寄せるんだ。そこだよ、つまりコーカサスじゃあんな皮あ一文もしないんだ、みんな打....