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取巻く
「取巻く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取巻くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
なる証拠となることを認めた。彼はまた土星の形がときによって変化すること(この星を
取巻く輪の位置による変化)、また金星(水星も同様であるが)が太陰と同様に鎌の形に....
「蠅男」より 著者:海野十三
リと右へ動き、左へ動きしている。それは場所ちがいの酔漢帆村荘六をもの珍らしそうに
取巻く道ブラ・マンの群衆だった。 帆村はポケットから、ウイスキーの壜を出して、....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
、懐中電燈の光を差付ける様にして、後頭部の致命傷を覗き込んだ。が、間もなく傷口を
取巻く頭髪の生際を指差しながら、医師へ言った。 「白い粉みたいなものが少しばかり....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
日常の遊戯にまで、朝敵を討ち、尊氏を追う真似ばかりして居たと云う。 思うに彼を
取巻く総ての雰囲気が、此の少年を、亡父の義挙を継ぐべき情熱へと駆り立てて行ったの....
「春昼」より 著者:泉鏡花
人と、思うと、男が五人、中に主人もいたでありましょう。婦人は唯御新姐一人、それを
取巻く如くにして、どやどやと些と急足で、浪打際の方へ通ったが、その人数じゃ、空頼....
「火星探険」より 著者:海野十三
りに集まっているんですか」 張少年から質問が飛びだした。 「宇宙塵がなぜ火星を
取巻くようになったかという問いだね。ううん、これはむずかしいことだ。いろいろ臆説....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
にならんと争う。やがて押退けて、晃、すっくと立ち、鎌を翳す。博徒、衆ともに下より
取巻く。お百合、振上げたる晃の手に縋る。 一同 遣れ遣れ、遣っちまえ、遣っちまえ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
れど、右の溌猴は、心さわがしく、性急だから、人さきに会に出掛けて、ひとつ蛇の目を
取巻くのに、度かさなるに従って、自然とおなじ顔が集るが、星座のこの分野に当っては....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
髮振りかかれるなかに輝きたる眼の光の凄まじさ、瞻り得べきにあらず。夥兵立懸り、押
取巻く、上手に床几を据えて侍控えいて、何やらむいい罵りしが、薪をば投入れぬ。 ....
「伯林の降誕祭」より 著者:岡本かの子
行く。世界的百貨店、ウェルトハイムの大飾窓に煌めく満天の星、神木の木の下の女神を
取巻く小鳥、獣類、人間の小児、それらを囲る幽邃な背景が、エンジンの回転仕掛けで、....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
険な話だよ。なんしろ海のあちらじゃ女の子の男装が流行ってる時代なんだし、岸田氏を
取巻く女達などは、ま、言って見れば日本のデイトリッヒやガルボなんだからね。――兎....
「光は影を」より 著者:岸田国士
もう可なり酔つていたけれども、その言葉が、たゞのキザなお座なりとは響かず、周りを
取巻く女たちの蓮葉な笑い声に交つて、気味わるく尾を引き、チクリと脳天にこたえた。....
「多神教」より 著者:泉鏡花
し。(一度|階をのぼりに、廻廊の左へ遁ぐ。人々は縁下より、ばらばらとその行く方を
取巻く。お沢。遁げつつ引返すを、神職、追状に引違え、帯|際をむずと取る。ずるずる....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
イ! 綺麗だぞイ! なよたけ お唄い! わらべ達唄をうたい始める。なよたけの後を
取巻くようにして、左方へ歩いて行く。けらおは、ひとり、不貞腐れて後からついてくる....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
――あたしは、あんたを東洋迄も追馳けるよ。誰がイベットに渡すもんか。 賭博場を
取巻く角や菱形に区切られた花園は夜露に濡れ、窓から射す燈に照らされ、ゴムを塗った....