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取得
「取得〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取得の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
解をするすべもなかった。 「全体おもしろくもねえ野郎だと思ったが、おとなしいのを
取得《とりえ》に今まで可愛がって置いてやったのだ。それになんだ、柄にもねえ光る物....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のであった。ことし十八で、いわゆる山出しの世間見ずではあるが、正直一方に働くのを
取得《とりえ》に、主人夫婦にも目をかけられていた。そういう女であるから、宗兵衛夫....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
により思想、信仰の統一を来たし、文明の進歩は生活資材を充足し、戦争までして物資の
取得を争う時代は過ぎ去り人類は、いつの間にやら戦争を考えなくなるであろう(四九―....
「食魔」より 著者:岡本かの子
だ情無く我慢するだけ、苦鳴の声さえ聞取られるのに憶している。肌目がこまかいだけが
取得の、無味で冷たく弱々しい哀愁、焦れもできない馬鹿正直さ加減。一方、伯母は薄笑....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
のですが、私は背が高いので机の脚も高くなければ困る。そういう都合で、脚の高いのを
取得に先ずそれを買い込んで、そのまま今日まで使っているわけです。その後にいくらか....
「地軸作戦」より 著者:海野十三
です。私と電話でお話になっていて、御褒めになったのですから、これはどうしても私の
取得です。そうではありませんか、宰相閣下」 その返事の代りに電話機の掛けられた....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ただ一輪を描いたる、扇の影に声澄みて、 「――その時あま人|申様、もしこのたまを
取得たらば、この御子を世継の御位になしたまえと申しかば、子細あらじと領承したもう....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
根掘り葉掘りお訊ねになられぬことでございます。私にはそれが何よりつらく、今更何の
取得もなき、昔の身上などを露ほども物語りたくはございませぬ。こちらの世界へ引移っ....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
シク泣けてきたとは、今から考えると、ちょっと不思議でした。玉子は背が高いばかりで
取得もなく、顔も浜子にくらべものにならぬくらい醜かったのです。 ところが、大宝....
「こま犬」より 著者:岡本綺堂
ったのだ。僕の郷里は田舎にしては珍しく路のいいところだ。まあ、その位がせめてもの
取得だろう。 すこし月並になるが、子供のときに遊んだことのある森や流れや、そう....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
た嘘だった。ことに鼻血のくだりなど、さすがにお前の臆病な性質を見抜いているという
取得があるにせよ、誰が読んでも嘘だとわかる。また、保証金没収の一件にしても、そう....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
だけど、人間はもう体の健なのが何よりね」 「だが、俺のように体ばかり健で、ほかに
取得のねえのも困ったものさ。俺はちっとは病ってもいいから、新さんの果報の半分でも....
「私の机」より 著者:岡本綺堂
のですが、私は脊が高いので机の脚も高くなければ困る。そういう都合で、脚の高いのを
取得に先ずそれを買い込んで、そのまま今日まで使っているわけです。その後にいくらか....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ば、団十郎は菊五郎と正反対に、非常に顔の作りが早いのだそうであるが、早いばかりが
取得ではない、早いが上に、それがちゃんと物になっているのはさすがに偉いと、わたし....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
という意味であるが、たしかに云われるだけのことはあった。あの巨万の富も財産税だ、
取得税だといって大部分を失っているはずだのに、なお昔のままの生活をつづけていられ....