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取押える
「取押える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取押えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
《すそ》を押えて離さない処へ、お兼《かね》さんやお力《りき》さんが出て参りまして
取押える拍子に、お兼さんが指に怪我をするやら、金どんも親指に怪我をしまして、漸《....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ので、乱暴者も流石にびっくりして皆ちり/″\に逃げて行きました。それを追っかけて
取押えるよりも、先ず殿様を介抱しなければならないと云うので、家中は大騒ぎになりま....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
た。四晩の辛労に肝腎の巨魁を捕える事は出来なかったが、確にその片割れと思える男を
取押える事が出来るのであるから、両刑事の胸は躍っていた。それだけ一刻も早く彼の出....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
/\多勢で廻ると盗賊は逃げますが、窃かに廻ると盗賊も油断して居りますから、却って
取押えることがあります。無提灯でのそ/\一人で歩くのは結句用心になります。或日お....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
っている所に、一人の修行者が来て、あなた方は幾ら此処を取巻いて居ても北條彦五郎を
取押える事は出来ません、殊に北條彦五郎は大力無双で、二十五人力も有るという事だか....
「大脳手術」より 著者:海野十三
。鳴海が傍でぐうぐうと睡っていたし、家は彼の宅であった。追跡者も、遂に私の身柄を
取押えることができなかったのである。一安心だ。 食堂へいって鳴海と共に朝食を済....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、ふざけやがって……」 「無礼者、控えろ」 ここでお供先の足軽や侍は、博徒連を
取押えるために、彼等を相手に格闘せねばならなくなりました。 「喧嘩だ、喧嘩だ」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りしていると、そのうしろでは何か物争いをはじめて、取組み合いがはじまるのを与八が
取押える。 「お師匠様」 だしぬけに呼ばれて、お松は振返り、 「何ですか」 「....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
姿が見えた。お菊はやはり黄八丈を着て、藤色の頭巾をかぶっていた。 三人はお菊を
取押えるよりも、まずおかみさんの方に眼を向けなければならなかった。お寅は左の乳の....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
やかな女性が、刑部明神と名乗って立現われ、さすがの武蔵の武芸を以てしても、それを
取押えることが出来ない。斯くすること両三度に及び、武蔵は如何にも残念に心得、思案....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
した門弟|一人、一筋道に立塞がり、 門人「どッこい、そう肯くはいかんぞ」 と
取押える後から追い来りし蟠龍軒、お町を取って引据え、と見ると心の迷いか、小野庄左....
「妖婆」より 著者:岡本綺堂
に声をかけた。 「矢上、それ。」 師匠と弟子は走りかかって、左右からかの怪物を
取押えると、怪物はのめるようにぐたりと前に倒れた。倒れると共に、それを埋めている....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
けられたので、すぐに姿を隠したに相違ありません。こうと知ったらば、さっき無理にも
取押えるのであったものをと、松島さんは足摺りをして悔みましたが、今更どうにもなら....
「牛」より 著者:岡本綺堂
ない。火消たちもこれには驚いた。店の者も近所の者も唯あれあれというばかりで、誰も
取押える術もない。なにしろ暴れ牛は暴れ馬よりも始末が悪い。それでも見てはいられな....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ますか、向うの嘉吉さんの所の婆さんが気が狂れて戸外へ飛び出したもんですから、皆で
取押えるッて騒いだんですよ。」 とお夏は自若としていって真顔で居る、愛吉は苦笑....