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取次ぎ
「取次ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取次ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
ゃると、蔦《つた》の家《や》から電話がかかって来ても、内証《ないしょ》で旦那様へ
取次ぎますよ。」
「好《い》いわよ。早くいらっしゃいってば。紅茶がさめてしまうじ....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
がら、刺《し》も通ぜずに帰るのは、もちろん本望《ほんもう》ではありません。そこで
取次ぎに出て来た小厮《しょうし》に、ともかくも黄一峯の秋山図を拝見したいという、....
「奴隷根性論」より 著者:大杉栄
十歩以内に近よることを禁ぜられて、ダクロと称する老婆によって、酋長へのいっさいの
取次ぎをして貰う。まずその
取次ぎを請うものは、ダクロの前へ四這いになって行く。そ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て来た呼吸づかいと、早口の急込に真赤になりながら、直ぐに台所から居間を突切って、
取次ぎに出る手廻しの、襷を外すのが膚を脱ぐような身悶えで、 「真砂町の、」 「や....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
はまだ登庁していないということだった。オヤオヤと思って、それでは助役の中谷銃二に
取次ぎを頼むと、今議場に出て、市長に代って奮戦の真最中だとのことだった。それなれ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
の勝見伍策というのが出迎えましたが、直ちに私の兄で、赤耀館の当主であった丈太郎に
取次ぎましたが、兄は舌打ちをして顔の色さえ変えました。勝見に会見の諾否を伝えよう....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
の場合の一度だけだった。 僕は父の使いで署長の官舎へ手紙を持って行った。玄関で
取次ぎを乞うと、ふいと彼女が出て来た。彼女も僕も真赤になって何にも言うことができ....
「金属人間」より 著者:海野十三
生に取次《とりつ》ぎができません」 というと、怪しい客は、 「そんなら、きみに
取次ぎはたのまない。じぶんが奥へふみこんで、蜂矢探偵に面会をとげるであろう」 ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
にも曇りはせねば、我が袖、鏡と御覧ぜよ。今、この瞳に宿れる雫は、母君の御情の露を
取次ぎ参らする、乳の滴ぞ、と袂を傾け、差寄せて、差俯き、はらはらと落涙して、 「....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
とどめて戴きたいのでございます。私はただ神様やら守護霊様からきかされたところをお
取次ぎするのですから、これが誤謬のないものだとは決して言い張るつもりはございませ....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
法眼と申す連れの僧、御主人も在らばお目にかかり度い」 と堅苦しく申入れました。
取次ぎの女中から様子を聴いた茶屋の主人はびっくりしました。何の用事か知らないが、....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
して来たインド各聯邦の代表者達の秘書の妻君や娘達であることを先刻の肥った老女中の
取次ぎが丁寧に伝えて行った。景子達の日本的律義にいくらか窮屈だったらしいガルスワ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ッとその花を見て下さらんけ。……賞めて下さると、何じゃ、白いのを賞めて下されば、
取次ぎの白粉じゃ、いろのを賞めて下されば、内の紅じゃ。一包ずつ、お景物をさしあげ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
てかぐ。)……とそう云うんですッて、大変だわね。毛彫浮彫の花鳥草木……まあ私のお
取次ぎは粗雑ですよ。(匂がする、)と言うくらいだから、按摩、それから、それへ聞伝....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
は、主人は背広服を着て事務所へ、主婦は茶の間で家事の采配、子供は学校、書生さんは
取次ぎかたがた勉強、めいめい平等方面を引込まして差別方面だけ働かす場合です。もし....