取直す[語句情報] »
取直す
「取直す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
取直すの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みちのく」より 著者:岡本かの子
喚《わめ》きながら走ったりした。 けれども少年はしばらくすると機嫌《きげん》を
取直す。というよりも芥《ごみ》を永く溜《た》めてはおけない流水のように、新鮮《し....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
ことが判らなくなった。むかしの男たちへの罪滅しのために若いものの世話でもして気を
取直すつもりかと思っていたが、そうでもない。近頃この界隈《かいわい》に噂が立ちか....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
た。 「任せるわ。じゃ、いいようにしてよ」 「それがいい。お前は今夜ただ、気持を
取直す工夫だけをしなさい」 逸作は、もしこのことで不孝の罰が当るようだったら俺....
「李陵」より 著者:中島敦
か》を失い全軍を失って、もはや天子に見《まみ》ゆべき面目はない。彼は戟《ほこ》を
取直すと、ふたたび乱軍の中に駈入《かけい》った。暗い中で敵味方も分らぬほどの乱闘....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
傷つける刑事の傍に寄った。刑事は虫の息だった。貫一は、むらむらとして、ピストルを
取直すと、刑事の心臓に覘いをつけた。……が、間もなく彼は周章ててピストルを持った....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
人間なかまに屠られます、貴女が手に掛けて下さらずば、自分、我が手で。――(一刀を
取直す。) 夫人 切腹はいけません。ああ、是非もない。それでは私が御介錯、舌を噛....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
蕊と、ばらばらに分れるばかりだ。あとは手箱に蔵っておこう。――殺せ。(騎士、槍を
取直す。) 美女 貴方、こんな悪魚の牙は可厭です。御卑怯な。見ていないで、御自分....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
うとも、全くだ。大丈夫だよ、なあにそんなに気に懸ける事はない、ほんのちょいと気を
取直すばかりで、そんな可怪しいものは西の海へさらりださ。」 「はい、難有う存じま....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
のうるさい繰返し文句で私の来たことを知らせたのは、その鳥だったのだ。 私は気を
取直すだけの暇もなかった。鸚鵡の鋭い速い声で、眠っていた人々は日を覚して跳び起き....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
は重きとがめこれ有ると思いませい。それっ! 刑吏 叩き! 手先達と弥造が青竹を
取直す。 仙太 兄さん! 兄さん! お願いでごぜます! お願いで……。 弥造 ....
「山吹」より 著者:泉鏡花
いよ。(興奮しつつ、びりびりと傘を破く。ために、疵つき、指さき腕など血汐浸む――
取直す)――畜生――畜生――畜生――畜生―― 人形使 ううむ、(幽に呻く)ううむ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
はと用心したればこそ身を全うし得たるなれ。 「しまった。と叫びて八蔵が、鉄棒を押
取直すを、泰助ははったと睨め付け、「御用だ。と大喝一声、怯む処を附け入って、拳の....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
は重きとがめこれあると思いませい。それっ! 刑吏 叩き! (手先達と弥造が青竹を
取直す) 仙太 兄さん! 兄さん! お願いでごぜます! お願いで……。 弥造 ど....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
にかけての行事如何。 三八 年取直し 年まわりの悪い人たちが、この日もう一度年を
取直す風はあるか。その他|厄年前厄の者が厄|除けのために何かすることがあるか。 ....