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受け取り
「受け取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
受け取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
た。
「じゃこれもつまらないか?」
譚は後にいた鴇婦の手から小さい紙包みを一つ
受け取り、得々とそれをひろげだした。その又紙の中には煎餅《せんべい》位大きい、チ....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
ました。のみならず門番が、怖《こ》わ怖《ご》わその子を抱いて来ると、すぐに自分が
受け取りながら、「おお、これは可愛い子だ。泣くな。泣くな。今日《きょう》からおれ....
「或る女」より 著者:有島武郎
た。
はたしてそれは免職と、退職慰労との会社の辞令だった。手紙には退職慰労金の
受け取り方《かた》に関する注意が事々しい行書《ぎょうしょ》で書いてあるのだった。....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
苦しい、しかし当然な正しい生活として、誇りもなく、矯飾もなく、不平もなく、素直に
受け取り、軛にかかった輓牛のような柔順な忍耐と覚悟とをもって、勇ましく迎え入れて....
「橋」より 著者:池谷信三郎
まで犯した男の純情でもなかった。では?…… 彼女が籠に入れられた一羽の伝書鳩を
受け取り、彼に、さよなら、とつめたい一語を残してあのガランとした裁判所の入口から....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
私はまた明日《あす》入《はい》る口があるからさ」 「どうも済まんなあ」 欣弥は
受け取りたる紙幣を軽《かろ》く戴《いただ》きて懐《ふところ》にせり。時に通り懸か....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
友よ。深い感動をもって、悲しみと悦びとの入り交じった気持をもって君の最近の手紙を
受け取り、そして読んだ。――君のかわらぬ真情と僕への好意とを何にたとえたらいいだ....
「古事記」より 著者:太安万侶
時に、お寤《さ》めになつて、「隨分寢たことだつた」と仰せられました。その大刀をお
受け取りなさいました時に、熊野の山の惡い神たちが自然に皆切り仆されて、かの正氣を....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
と同じような疑いをもって読んだ。それからまた、わたしが推測した通りに、かの手紙の
受け取り人であるらしい老婆の身の上を念入りに調べはじめると、手紙の日付けの一年前....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
涯を賭博台の前に送りながら何百万の富を築き上げたという人間で、自分が勝てば手形で
受け取り、負ければ現金で即座に支払っていた。彼は自分の長いあいだの経験によって仲....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って来たことも判った。彼女は安蔵を供の武士に仕立てて、自分は奥女中に化けてお蝶を
受け取りに来たのであった。彼女がお蝶の前にならべた二百両は無論に銅脈の偽物であっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、おまきの隣りに住んでいる彼の大工のほかに二人の男が連れ立って、おまきの家へ猫を
受け取りに行った。猫は先頃子を生んだので、大小あわせて二十匹になっていた。 「ど....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、相手がどうしても承知いたしません。とどの詰りが当座のとむらい料と申し、三両だけ
受け取りまして、いずれ葬式《とむらい》のすみ次第あらためて掛け合いにくると云って....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は町内の角で降りて、駕籠賃は津の国屋へ行って貰ってくれと云ったから、それでここへ
受け取りに来たんだと云って、どうしても肯かないんです」 「それから、どうして……....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れが切腹したとしても、かの仮面がここの店にあることを知っている以上、誰かが代って
受け取りにくる筈である。孫十郎は首を長くして毎日待ちわびていたが、どこからもそれ....